この記事のポイント
- 体験設計が重要に、SNSで口コミが加速
- 月収の6割を旅行予算にする若者も
- 旅も自己投資、体験への消費が拡大
Z世代の旅行が増えるのは「SNS×可処分所得×自己投資」の合わせ技
ベトナムではZ世代(概ね13〜28歳)が、以前の世代よりも旅行回数を増やし、体験にお金を使う傾向が強まっています。関連するコラムが地場メディアに載っていたのでご紹介します。
下記のような内容です。
この傾向の背景はシンプルで、①SNSで行き先が瞬時に可視化され、②家計や本人収入の改善で体験に振り向けやすくなり、③ストレス解消・自己表現として旅行が“自己投資”化しているためです。観光事業だけでなく、飲食・小売・ブランド側も「体験設計」を中心に戦略を組むと勝ち筋が見えます。
①SNSで“行きたい”が瞬時に増幅する
Z世代はデジタルプラットフォームへのアクセスが早く、人気の観光地や“映える”チェックインスポットの情報が一気に広がります。旅行は移動そのものよりも、「そこで何を体験し、何を発信するか」が価値になりやすいです。結果として、目的地選びも“口コミの速度”が支配する構造になっています。
②家計・本人収入の改善で体験に振り向けやすい
ベトナム経済が拡大してきた時期に育ったZ世代は、家族からのサポートが得られる層もいれば、学業と仕事を両立して収入を作る層もいます。「衣食住が最優先」という感覚から一段進み、余剰を体験に回す意思決定がしやすいのが特徴です。
③ストレス対策として旅行が“自己投資”化している
学業・仕事のプレッシャーが強いほど、旅行は「回復のための支出」になりやすいです。いわゆる“癒やし(healing)”文脈とも相性が良く、短期でもリフレッシュできる旅先・体験が選ばれます。ここは観光地側が提供価値を作りやすいポイントでもあります。
データで見る2026年の兆し:Z世代の約54%が「旅行を増やす」
地場調査では、Z世代の旅行需要が国内観光市場の重要変数になっています。Vietnam Reportが2025年12月1日に公表した観光・ホテル・リゾート・旅客輸送業界の評価関連資料では、Z世代消費者の約54%が「2026年に旅行を増やす」と回答したと紹介されています。数字が示す通り、“若者が動く=市場が動く”フェーズに入っています。
現地の声:節約してでも行く/月収の60%を使う若者も
興味深いのは「お金があるから行く」だけではない点です。ホーチミン市の学生の例では、混雑と価格高騰を避けて祝日を外し、オフピークで回数を増やす動きが見られます。旅行1回あたり約500万VND程度を目安にしながら、アルバイトを掛け持ちして旅費を作るケースも紹介されています。別の学生は「旅行するなら思いっきり楽しむ」として、旅行時に月収の約60%を使うと語っており、体験の優先度の高さが分かります。
観光地・事業者側で起きている変化:若者の発信が“集客インフラ”になる
Z世代は旅行先で撮影した画像・動画をフォーラムやSNSで共有し、それが観光地の認知拡大に直結します。つまり、広告を投下する前に「UGC(一般ユーザー投稿)が回る設計」があるかどうかが、集客効率を左右します。一方で、ツアーガイドの現場感として「自然・景観は重視されるが、文化・歴史価値への関心が薄い層もいる」という課題も指摘されています。
いかがでしたでしょうか。トレンドを掴むうえでなにかの参考になれば幸いです。
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MAI Internationalでは、ベトナム若年層の消費行動(SNS起点の意思決定、体験消費、現地回遊)を踏まえた市場調査から、チャネル設計、現地パートナー開拓、プロモーション設計まで一気通貫で伴走しています。観光・飲食・小売・ブランドで「体験をどう売上に変えるか」を詰めたい場合、まずは現状の導線とKPIを一緒に棚卸しするところから進めるのが近道です。
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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の調査結果・制度・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。