三強が市場を牽引、2022年は7%の成長

地場企業「HAPPY GELATO」(WEBサイトより)

ベーカリーチェーン大手の「ABCベーカリー」が、ビンタン地区に“Go Gelato”というアイスクリーム店をオープンし、新製品のフィードバックを集める市場調査とPRの一貫で、アイスクリームを無料で提供しているという話題が、ローカル媒体に掲載されていました。

「ABCベーカリー」のKao Sieu Luc社長が店頭で直接提供したとのこと。業界の大手企業のトップが直々にPRしたとのことで、力の入れようにも注目されています。

英国系の大手調査会社ユーロモニターのレポートによると、ベトナムのアイスクリーム市場は、中間層の拡大で2022年に7%成長し、1億8,294万米ドルに達しました。Kido Group、Unilever Vietnam、Vinamilkという3大トッププレーヤーが、この市場の64%のシェアを占めています。販売先は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの小売店向けが大半だと考えられています。

「ABCベーカリー」はスターバックス、KFC、ロッテリア、ジョリビー、ドミノ・ピザなどの主要外食ブランドに商品を提供していますが、“Go Gelato”のような店舗での直販を増やしたい意向があると考えられます。

また、ベトナム国内では最近、日本式のソフトクリームを販売する店舗も現れ、40,000 VND程度で販売されています。ジェラートとは違う食感で、ローカルの一般消費者にも好評です。

コールドチェーン網には課題も

ベトナムでは、アイスクリームを食べる文化が根付いています。ホアンキエム地区に位置するハノイのKem Tràng Tiềnは、人気店として有名な観光スポットで、常にベトナム人の客で賑わっています。今後も新しい直営の販売が拡大していくことが期待されます。

物流のインフラが未発達であるため、冷凍食品やアイスクリームの輸送が難しくなっています。配送中に温度管理がうまくいかずに品質に問題が生じてしまうことがあります。段々と物流のインフラ整備と高度技術の導入で改善されてきております。

これからのベトナムのアイスクリーム市場には、ますます多くの新しいチャレンジャーが参入してくることが期待されます。今後も注目していきたい業界です。

弊社MAIインターナショナルではこのように、消費者市場での市場調査が可能です。

日本式のソフトクリーム