市場調査をしていて、スナック菓子の棚でひときわ目立つのがこの「Oishi」というブランド。日本では見かけないブランドですが、パッケージに日本語で「おいしい」と書かれています。なんとなく、日本人からだと日本国内の有名えびせんブランドを想起するかもしれません。
このブランドは、Lays’(サントリーペプシコ)やSLIDE(モンデリーズ・インターナショナル、厳密には同社と地場との合弁であるモンデリーズキンドー)など超大手グローバル企業の製品と、ベトナム国内の小売店でチップス分野で棚をとりあっています。
この「Oishi」を生産しているのは、1996年にフィリピンにて、華僑の兄弟によって創業された製菓メーカー「Liwayway Group」です。中国には「上好佳」というブランド名で進出し、中国全土に商品を展開し、高い知名度を誇ります。
創業者兄弟の兄にあたるカルロスチャンは、2022年の経済誌フォーブスで「フィリピンの富豪ランキング50」で38位に選出されるほど成功した人物として知られています。ドゥテルテ大統領から中国への特使に任命されるなど、80歳を超えても、なお政界を含めた影響力を持っています。
また余談ですが、フィリピンにはユニクロのようなアパレルSPAで「BENCH」という地場ブランドがあります。全土のショッピングモールに広く出店するなど浸透しており、このブランドを立ち上げたベンチャンという人物は、カルロスの実弟にあたります。このように兄弟で国を代表するブランドを成功させているのですから、地盤だけでなく非常に商才のある一家なのでしょう。