マレーシアのeコマースアグリゲーターのiPrice社とSimilarWeb社が共同で、2020年の東南アジアeコマース各社のトラフィックを集計して作成したランキングを発表しています。

その中に、「Shopee」、「Lazada」以外には「Tokopedia」、「Bukalapak」、「Blibli」などが入っていますが、「Mobile World(The gioi di dong)」、「Tiki」、「Sendo(FPT)」、「Bach Hoa Xanh(Mobile World系列のミニスーパーチェーン)」と、5社のベトナム企業がランクインしていました。

参照:iprice

驚くべきは、5位にランキングされている「Mobile World」で、彼らは携帯電話販売店(2,487店舗)、家電量販店(1,578店舗)を経営する小売企業であるにも関わらず、多くのEC企業を抑えて5位にランキングされています。

また、9位にランキングされている「Bach Hoa Xanh」も同社の系列企業でミニスーパー(1,775店舗)を経営している企業です。

「Mobile World」の設立は2004年3月で、最初は商品販売の為のウェブサイトを立ち上げ、ホーチミン市のホアンバントゥ通りに3ヵ所の小さな店舗のみのスタートでしたが、2004年10月にはビジネスモデルを変更し、大きな店舗をグエンディンチエウ通りに出店しました。

その後は順調に店舗を増やし、2006年3月には大型店を4店舗まで増やしました。

私は、2006年11月にベトナムへ来たのですが、ベトナム人の友人に「携帯電話を買いたい。」と言った所、グエンディンチエウ通りの店舗へ連れて行ってくれた事を覚えています。その頃は、あまり品揃えの良い携帯電話販売店が無かったのですが、同店は店舗が広く(たぶん300㎡くらい)多くのブランドの携帯電話がショーケースに並んでおり、価格も全て表示されているので大変選びやすい店舗だなと感じました。また、驚いたのは接客の良さでした。

当時のベトナムは、まだまだ有名なチェーンストアでも適当な接客が多く、商品の質問をしてもろくな返事が期待できなかったのですが、この時はどのような質問をしても明確に答えてくれますし、お勧め商品をどんどん提案してくれ大満足で買い物ができた事を今でもはっきりと覚えています。

同社の店内(参照:同社ウェブサイト)

その後、2007年に同社はメコンキャピタルからの投資を受け、一気に店舗網を拡大し、2009年には40店舗、2012年には120店舗まで出店数を伸ばしまし、2013年には元Best Buy InternationalのマネージングダイレクターであるRobert Alan Willett氏からも投資を受け、2017年末時点で、携帯電話販売チェーン・家電量販店・ミニスーパーを合計2,000店保有するに至りました。

同社の凄い所は、圧倒的な出店スピードもそうなのですが、「圧倒的な品揃え」、「わかりやすい店舗作り」、「レベルの高い接客」などが挙げられ、特に素晴らしいのは接客ではないかと思います。聞いた話で確かではないのですが、価格表示がされている電光掲示板を見ると、店員だけがインセンティブ率や、チェーン全体で売りたい商品なども即座に理解できるようになっているという事でした。

また、2010年頃に創業者で会長のタイ氏と何度か商談をさせて頂いた事があります。

当時、多くの家電量販店や携帯電話販売チェーンと商談をしていたのですが、特に各チェーンは明確なコンセプトがある訳ではなく、他のチェーンで売っているものを売ろうという様なフワッとした感じを受ける事が多かったのですが、タイ氏と打ち合わせをすると、同チェーンのコンセプトに関する明確な説明を頂き、本当に同じ国の同じ業種の人なのかな?とびっくりした事を覚えています。

同社の主力事業「Mobile World」(参照:同社ウェブサイト)
家電量販事業「Dien may xanh」(参照:同社ウェブサイト)
ミニスーパー事業「Bach hoa xanh」(参照:同社ウェブサイト)
OTC薬局チェーン事業「Nha thuoc an khang」(参照:VNExpress)

説明が長くなりましたが、この様に様々な業種を取り込んで、圧倒的なスケールで事業展開をしている企業が、「Mobile World」です。

2006年よりいつも商品を購入しているファンの1人として、今回のブログを書いていますので、暑苦しい所はご容赦ください。

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