この記事のポイント
- ソーシャルメディアの影響が拡大、混雑よりも「回復」
- バズる地方スポットが話題に、癒しブーム続く
- この傾向はしばらく定番化するか、スロートラベルに注目
静けさ志向とSNSホットスポットが同時進行
最近のベトナムでは、若者の旅が「にぎやかな定番観光」一辺倒ではなくなっています。静かな自然の中で休む“癒やし”を求める層が増える一方で、ソーシャルメディアで話題のスポットに素早く行って体験を共有する層もはっきり存在します。アンザン新聞(Báo An Giang、2026年3月20日公開)でも、山・森・手つかずのビーチや静かな村、寺院などを選ぶ傾向と、凧村のような“バズる地方スポット”の広がりが紹介されました。出典:Xu hướng du lịch của giới trẻ(Báo An Giang)。
若者は「混雑より回復」を優先する
記事では、日々の喧騒やプレッシャーから離れ、自然の音や空気の中で過ごすこと自体が“心の癒し”になっている様子が描かれています。予定を詰め込むより、1つの場所に長めに滞在して景色や地元の生活を味わう、いわゆるスロートラベル的な選択も目立ちます。これは一時的な流行というより、ストレス環境の中で「バランスを取り直す場所」を求めるニーズとして捉えるほうが実務的です。
一方で“映える体験”も強い:ホアチャン凧村の事例
静けさ志向とは別の軸で、SNSで話題の“ホットスポット”に行く動きも加速しています。アンザン省ヴィンホア村のホアチャン凧村(làng diều Hòa Chánh)は、色とりどりの凧が空を埋め尽くす光景と田園風景が短尺動画・写真と相性がよく、チェックイン先として人が集まった例として紹介されています。毎年3月頃に風が安定し、凧揚げ体験が盛り上がる点も「行く理由」を作りやすいポイントです。
背景整理:なぜ「自然回帰」と「チェックイン」が同時に伸びるのか
キーワードは“癒やし(chữa lành)”と回復ニーズ
ベトナムでは若年層の間で“chữa lành(癒やし)”という言葉が広がってきた流れがあり、旅の選択にも影響しています。MAIでも、TikTok上の検索・ハッシュタグ動向から「癒やし」志向を読み解いた記事を公開しています(2024年5月)。お疲れの若者“癒やしブーム”? 検索キーワードで上位もあわせて見ると、旅行・カフェ・デジタルデトックスなどが“回復行動”として選ばれやすい背景が掴めます。
短尺動画が「地方の無名スポット」を目的地に変える
ホアチャン凧村のように、数本の動画が拡散するだけで「行って体験する場所」に変わるのが、いまの観光・余暇の怖さでもあり面白さでもあります。若者のトレンドはTikTok起点で可視化されやすく、企業側も“話題の芽”を早めに拾えるようになりました。直近では、商工省主導イベントを扱ったMAI記事でも「若者トレンドはTikTok起点で見えやすい」点に触れています。国産製品需要喚起の最新動向、商工省主導イベント。
観光・消費ブランドが押さえるべき設計ポイント
1)「滞在中の気持ち」を設計する(静けさ・回復のUX)
癒やし旅の文脈では、豪華さよりも“気持ちが軽くなる導線”が評価されます。例えば、静かな朝時間、自然音、混雑回避、読書やコーヒーといった行動が成立する空間づくりです。宿泊・飲食・小売でも、商品スペック訴求より「その場でどう回復できるか」を言語化したほうが刺さりやすくなります。
2)SNSは「撮影スポット」より「体験の型」を用意する
チェックイン旅は“背景がきれい”だけだと短命になりがちです。凧村の事例が強いのは、写真映えに加えて「凧揚げ」「野原を走る」「季節(風が強い時期)」という体験の型がある点です。地方観光や地域プロモーションを考えるなら、投稿される1枚を作るのではなく、「来た人が何をするか」を3つ程度のアクティビティとして設計するのが現実的です。
3)地域側は環境・景観保全とセットで運用する
静かな場所ほど、急に人が増えるとゴミ・騒音・景観劣化が起きやすくなります。記事内でも、旅先の美しさを守るために環境保護・景観保全が必要だと触れられています。人気化の“前”にルール(動線、駐車、清掃、撮影マナー)を整えるほど、長期的に選ばれる確率が上がります。
4)「地方×カルチャー」で観光需要が動くケースも増える
地方が注目されるきっかけは、自然だけではありません。例えば音楽MVが地域への関心を押し上げた例として、MAIではバクニン省の事例を紹介しています。“バクニン省”讃歌が若者に大流行、観光需要にも期待。観光は“絶景”の奪い合いではなく、文化・体験・SNS文脈の掛け算で伸びる局面が増えています。
MAIの支援領域:市場調査〜SNS文脈設計〜地方展開まで
ベトナムの若者旅行は、「癒やし(回復)」と「SNS拡散」の両輪で動く場面が増えています。MAI Internationalでは、現地トレンドの一次情報収集、消費者インサイト整理、SNS上の文脈分析、地方を絡めた販売・PR設計などを、実務として一気通貫で支援可能です。旅行・観光に限らず、カフェ、飲料、日用品、体験型サービスなど“余暇シーンに入りたい”企業ほど、早めに設計しておくと施策が組みやすくなります。
MAI Internationalが支援できること
MAI International では市場調査、TT/MTチャネル開拓、EC・デジタルマーケティング、現地法人設立支援などを提供しています。ベトナム展開やチャネル戦略を相談したい方は下記よりお問い合わせください。
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