この記事のポイント
- ハノイ市の新しい試みを紹介
- ハノイ市建設局が草案を作成し、意見を収集中
- 「路上のはみ出し営業」が合法化?
ハノイ市が「歩道・車道の一部を有料リース」へ
地場メディア記事によると、ハノイ市では、歩道や道路(車道)の一部を商業目的・都市経済・夜間経済のために一時利用できるよう、厳格な基準つきで試行(パイロット)する草案が出ています。許可の出し方や対象となる通りの条件を明確化し、「路上のはみ出し営業」をルールの中に入れていく動き、と捉えると分かりやすいです。草案では、試行結果を踏まえて法令の改正・補足も提案していく方針が示されています。
一次情報としては、ハノイ市建設局が草案を作成し、関係当局の意見募集を進めている、という内容です(2026年5月13日付報道)。
ざっくり結論:ポイントは「許可制×有料化×現場運用の分権」
- 対象の通りは7つの基準を満たす必要がある
- 借りる側(組織・個人・家内事業)は5つの条件(権利関係、事業登録、監視カメラ等)を満たす
- 許可・監督は、通りを所管する街区レベル(UBND cấp phường)が担う想定
つまり「出店できそう」だけで判断せず、通りの適格性と自社(または現地パートナー)の適格性を、許可プロセスに合わせて揃える必要が出てきます。
制度の骨格:草案で示された要件を実務目線で整理
1) 試行対象となる通りの「7基準」
草案では、道路・歩道の一部を商業等で一時利用できる通りについて、次のような基準が提示されています(要旨)。
- 歴史・文化遺産の保全範囲に含まれない
- 重大な渋滞箇所や事故多発地点(ブラックスポット)がない
- 歩道幅が片側3m以上で、歩行者通路1.5m以上を確保しても利用余地が残る
- 歩道構造が安定し、承認設計どおりに整備済み
- 観光・都市経済・夜間経済の発展ポテンシャルがある
- 沿道の権利者のうち少なくとも50%が試行に同意
- 市人民委員会(UBND TP)が試行実施を決定する
日本語記事で「ホーチミン市人民委員会」と読める表現が混ざることがありますが、原文趣旨は“当該市(ハノイ市)”の決定を指しています(UBND TP)。
2) 借りたい側(組織・個人・家内事業)の「5条件」
借りる側にも条件があり、特に権利関係と監視カメラが目立ちます。
- 試行が許可された通り沿いの建物を使用する権利がある、または正当な権利者から賃借等の許諾を得ている
- 事業登録(営業登録)がある
- 歩道・車道の一時利用の必要性がある(目的が夜間経済等に合致)
- 対象範囲をカバーできる監視カメラを設置し、街区人民委員会の許可・承認を得る
- 許可内容(時間帯・範囲・運用ルール)を遵守する
監視カメラは「付ければOK」ではなく、街区側の認可・承認が前提に置かれています。運用ルールの“現場裁量”が大きくなる可能性がある点は、進出企業ほど注意したいところです。
3) 期間と更新:全体5年、通りは最長2年+延長、事業者は最長1年+更新
草案では、決議が可決・施行された場合、全体の枠組みは5年間の試行とされています。さらに、
- 「通り(路線)」としての試行:最長2年、最大2回延長(各延長も最長2年)
- 「事業者(組織・個人)」の一時利用:最長1年、更新は複数回可(各延長は最長1年)
という二層構造です。許可の持ち方が年次更新になりやすいので、契約・投資回収・人員配置を「1年単位で見直せる設計」にしておくと安全です。
4) 料金水準:中心部は「m²あたり月額」の上限例が報道
料金は既存の決議(HĐNDの決議06/2020等)をベースに算定する、と報じられています。中心部(旧4区相当やフードストリート、ナイトマーケット等)では、報道ベースで最大45,000VND/m²/月といった水準が紹介されています(あくまで草案段階の報道情報)。
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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・運用解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。