以前から何回かに分けてお伝えしているベトナムの輸入規制ですが、本日は水産物についてお話します。

ベトナム向けの水産物輸出は年々増加しており、農林水産省の統計によると、令和3年度の「さば」全世界向け輸出額(冷凍・冷蔵・生)が約176,700トンであったのに対し、ベトナム向けは約46,700トンと約26.4%を占めています。

また、「ホタテ貝(ホタテ貝(生・蔵・凍・塩・乾)」に関しても、中国(約94,200トン)、韓国(約10,600トン)に次ぐ三位(約3,119トン)となっています。

先日のブログにも記載しましたが、弊社では「JETROホーチミン事務所の農林水産部門コーディネーター」や、複数の地方自治体のコーディネーターを行っておりますので、日本食材拡販に関するご相談を多く受けております。

加工食品の場合、対象が日本食レストランと限定されるケースが多いのですが、水産物に関しては、ベトナム料理やその他海外料理のレストランや、スーパーマーケット、市場、食品加工業と様々な業種が対象となる事から、日本製品拡販の可能性が高い分野であると言えます。

日本から水産物を輸入する為には?

日本から水産物をベトナムに輸出する場合、「最終加工施設の事前登録」、日本政府関係当局が発行する「衛生証明書(Health Certificate)」、または、「食用水産品証明書」が必要となる。

特に、「最終加工施設の事前登録」を行わなければ、そもそもベトナムへの輸出ができませんのでご注意ください。

◆ 最終加工施設の事前登録や衛生証明書が必要な食品

水産物・水産物加工品は、最終加工施設登録・証明書の発行が必要になる為、各都道府県で登録を行う必要があります。

食鳥肉や牛・豚肉も、「対ベトナム輸出食肉取扱い施設の登録」および「食肉衛生証明書」の発行手続きが必要です。

◆ 検疫の対象となる食品

農業農村開発省からの「通達No.25/2016/TT-BNNPTNT」の「付録I」に規定されている検疫の対象となる動物・動物製品のリストにある動物製品、「通達 No.26/2016/TT-BNNPTNT」の「 付録 I」 に規定されている検疫の対象となる水産物・水産物製品に関しては、輸入前に検疫を受ける必要があります。

 
◆「No.26/2016/TT-BNNPTNT」の「付録Ⅰ」で規定される動物検疫対象となる水産物・水産物製品
I. 水生動物

1.魚類:鱗を持つ魚類、ナマズ等、その他の魚類。

2.甲殻類:エビ、カニおよびその他の水生甲殻類。

3.軟体動物:イカ、タコ、カタツムリ、ムール貝、アサリ、ホタテおよびその他の水生軟体動物。

4.両生類:カエル、その他の両生類。

5.爬虫類:カメ、ワニ、その他の水生爬虫類

6.刺胞動物:クラゲ、サンゴなど

7.棘皮動物:ナマコ、ウニ

8.海綿

9.水生哺乳類:クジラ、アザラシ、カワウソ、その他の水生哺乳類。

10.その他の水生動物。

11.輸入国の要求により、またはベトナムが署名または加入した国際条約の規定に基づいて検疫の対象となるその他の水生動物。

Ⅱ.水生動物製品

1.水生動物の胚、卵、精子、幼生

2.生鮮、半加工、冷凍、チルドの水生動物製品

3.水生動物の塩漬け、加工品(乾燥、燻製)

4.水生動物の缶詰・魚油

5.生卵、塩漬け卵、水生動物の卵製品

6.水生動物の皮、毛皮、ヒレ、鱗、甲羅(生鮮・乾燥・塩漬け)

7.輸入国の要求により、またはベトナムが署名または加入した国際条約の規定に基づいて検疫の対象となるその他の水生動物。

◆水産品・水産生物をベトナムへ輸出する際のフローチャート

基本的には、この手順通りに手続きを実施すれば、ベトナムへ輸出販売を行う事が可能となります。

しかしながら、ベトナムへ輸出を行う為には、ベトナム側にディストリビューターや企業ユーザーを見つける必要があります。

MAI INTERNATIONALは、ベトナム市場での販路拡大の為の「ビジネスマッチング」「オンライン・オフラインのセールスサポート(営業代行含む)」を10年以上行ってきた経験がございます。

「ディストリビューター」を探す方法としては、ウェブサイトや電話張、弊社データベースから候補企業を抽出し、ロングリスト化を行い、各社と商談を行っていくというスタンダードなやり方や、輸入データから対象製品を多く取り扱う企業を抽出して商談を行うというやり方がございます。

後者はデータ分析に費用が発生しますが、より濃いロングリストを作成可能な為、時間軸を短縮する事も可能です。

これ以外にも様々なやり方が考えられますが、経験豊富な日本人スタッフやベトナム人スタッフがお客様へアドバイスをさせて頂きます。

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