ベトナムは、フランス統治時代からパンを食べる習慣があり、ローカルベーカリーで製造したフランスパンを使用したサンドウィッチの「バインミー」が良く食べられていますが、豚の回し焼き・魚缶詰・ミートボール・目玉焼き等と、香草・ニラ・人参と大根の酢漬け・レバーパテ等を入れ醤油やチリソースで味付けがされており、ベトナムの代表的な食べ物になっています。

最近では、日本でもバインミー専門店が多く開店しているので、日本の皆様も食べられた事がある方が多いのではと思います。

ベトナムのフランスパンは、中力粉を使っている事が多く、カリカリとした軽い食感で、日本人の考えるフランスパンとは少し異なる物で、その他のパンもどちらかというとボソボソとした食感の物が多く、菓子パンや総菜パンも日本と比較するとバリエーションが少ないと感じますが、ベトナム人の人からすると、「パンはやはりこうでなければ。」と感じている人が多いのではと思います。

誤解のない様に言えば、私は16年間ベトナムでバインミーを食べ続けていますので、大好物で、日本から来られたお客様には強力にプッシュしています。

【人気のバインミー店 Huynh Hoa ※VNExpress】

一方、ベトナムにおける外資系ベーカリーの状況ですが、韓国資本の「Tous Les Jour」が最も早い2007年に進出し、ホーチミン市内に1号店を開店した事を皮切りに、「Bread Talk(シンガポール)」、「Paris Baquette(韓国)」等が次々と進出しました。

その後、日系チェーンとして、「ヤマザキパン」「リョウユウパン」「ごちパン」「グランマーブル(撤退済み)」「Conservo」「イオンベーカリー」等がベトナム市場での展開を開始しております。

現状として、外資系ベーカリーの出店地域は、ホーチミン市、ハノイ市などの大都市や周辺都市に限定されている段階ですが、もともとパン食が根付いていたため、大都市圏の住民は、いわゆる外資系ベーカリーの味に慣れつつあると言えます。

また、最近では、ローカルチェーンのレベルもかなり高くなっており、本格的なサワードゥーを販売する店舗等も続々とオープンしています。

私は、「TARTINE」というチェーンがお気に入りですが、現在ホーチミン市内に6店舗を展開している本格的なベーカリーチェーンです。

【同社ウェブサイト】

https://tartine-saigon-nguyen-inh-chieu.business.site/

 

【同社ウェブサイトより】
【同社メニュー】

また、主要チェーン(10店舗以上展開)と、主な日系のベーカリーの状況は下記の通りです。

周辺諸国と比較すると、主要チェーンも店舗数が少ないと思いますが、市場自体は、ABCベーカリー社長のコメントの様に、毎年高い成長を見せていますので、決定的なプレイヤーがいないという意味では、まだまだ参入の余地があると言えるかも知れません。