2020年12月28日に、ベトナム畜産協会が広報誌の「ベトナム畜産」に2020年の畜産状況と2021年の結果を掲載しておりましたので、このデータを利用していくつかの分野を何回かに分けてご紹介できればと思います。
最初は、牛乳の状況をご説明させて頂きたいと思います。
日本の農林水産省が発表している畜産統計の令和2年度では、乳牛の飼育頭数は1,352,000頭という事だったのに対し、ベトナムは346,500頭と日本の約25.6%しか飼育していないという事になります。
ベトナムでは、栄養補給に牛乳を飲む事が推奨されており、スーパーマーケットに行くと牛乳売場は、まさにミルクワールドと言ってもいいくらい、かなり派手に陳列がされています。
消費量は、2020年には26億リットルに達していると言われていますが、国内生産量は約10億リットルとおよそ38%に過ぎない状況の様です。
2005年頃は乳牛飼育頭数が約100,000万頭であり、国内大手のビナミルクやTHなどが乳牛の輸入飼育を率先して行い、現在は約3.5倍まで増加していますが、まだまだ生乳は輸入に頼る所が多い様です。
下記は、統計総局が発表しているHSコード0401(ミルク・クリーム)の輸入データです。
牛乳関係のコードは、HS0402なども該当するので全てではないですが、傾向としては毎年輸入量が増えており、特にオセアニア地域、ヨーロッパからの輸入が多く、日本からはかなり少ないという事がわかります。
前述の様に、ビナミルクやTHが国産を増やしているのにも関わらず、輸入も伸びているので、一人当たりの牛乳消費量が上がり、市場が拡大している事が予測できます。
また、2019年度の年初6ヵ月間の乳製品全体の輸入価格が税関総局から発表になっておりました。
これを見ると、日本からの輸入金額も6ヵ月間で約2,100万USDとフランスやドイツと並ぶ高水準という事がわかり、日本製の乳製品はベトナムの消費者にも受け入れられており、市場性があるという事がわかります。
ベトナム市場での食品関連の販売を検討される場合、多くの競合企業の展開商品、販売金額や営業体制を調べる必要がありますが、最初の時点では、税関総局や統計総局、様々な協会が発表している資料を分析する事によりざっくりと市場参入の余地がありそうかどうかの調査を行う事も可能です。
MAI Internationalでは、ベトナム市場のざっくり調査、深掘り調査を合わせて行う事ができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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