1986年の経済改革以降、30年間にわたりコーヒー産業はベトナムの農業収入とGDPに最も重要な貢献をしてきており、50万以上の直接的および間接的な雇用を創出し、農業生産地域の数千世帯の主な生計手段となっています。コーヒーの輸出額は農業総輸出額の約15%を占め、農業GDPの10%を常に超えている重要な産業です。ベトナムコーヒーの歴史は、1857年ごろフランス人によって始まり、コーヒー栽培は1世紀以上にわたりベトナム文化に既に定着したものとなっています。1990年代初頭にはコーヒーの作付け面積はわずか5,900ヘクタールだったのが、政府支援によりコーヒー産業が強化された結果、今日では約600,000ヘクタールに達し、世界で2番目のコーヒー生産国となっています。
ベトナムでは主にロバスタとアラビカの2品種が生産されていますが、ロバスタが占める割合は作付け面積で92.9%、総生産量の97%と圧倒的です。ロバスタとアラビカの違いですが、ロバスタのカフェイン含有量は1.8~3.5%であるのに対してアラビカは0.9~1.7%です。ロバスタはカフェインが多く含まれている為、アラビカよりも苦みが強く、アラビカにあるアロマフレーバーも弱く感じます。一般的なベトナムコーヒーはこのロバスタを使っていますので皆さんがご存じの通り味がとても濃厚に感じます。
また主なコーヒーの生産地域は、ダックラック省(190,000ヘクタール)、ラムドン省(162,000ヘクタール)、ダックノン省(135,000ヘクタール)、ザーライ省(82,000ヘクタール)、コントゥム省(13,500ヘクタール)と中部高原地域に集中しております。
このようにコーヒー生産が大変盛んなベトナムなので、さぞかし消費量も多いのではと思いきや、ICO(国際コーヒー機関)が発表した、「世界の一人当たりコーヒー消費量」で見ると2018年のEU5.22㎏、日本3.7㎏、アメリカ4.87㎏等と比較するとベトナムは1.59㎏とまだまだ少ないですが、毎年消費量が増加傾向にある事がわかりますし、2005年の数字は0.43㎏であった為、なんと13年間で3倍以上に増えています。
ベトナム人は、ロバスタをアルミフィルターを使ってゆっくりと濃く抽出したベトナムコーヒーを好み、味が極端に濃く、バリエーションも少ない為、特定の人しか飲んでいませんでした。(いわゆるおじさん世代が好む飲み物で、女性はあまり飲まない。)
近年の激増の要因としては、Highlands CoffeeやStarbucks、Phuc Longをはじめとする、オシャレなカフェがホーチミンやハノイのような大都市を中心に増加していることが挙げられます。エスプレッソを主体としたシアトルコーヒーなど選択肢も増え若者がコーヒーを飲むようになっているという事が言えると思います。
現在、カフェチェーンは全国でおよそ20,000店舗存在するといわれており、Highlands COFFEE(120店舗)、Starbucks(70店舗)、Trung Nguyen Coffee(67店舗)、The Coffee House(155店舗)など多店舗展開する企業が増えており、ローカル企業では80年代の共産主義イメージのデザインを打ち出して人気のCong Ca Phe(共カフェ)というチェーンがあり、ベトナム国内に60店舗、マレーシア1店舗、韓国6店舗と海外進出もしています。これらのカフェチェーンは都会の中間所得者に支持されており、コーヒー製品全体の国内消費は今後も拡大していくものと考えられます。
生産量を調べるのみでは、この様なベトナム国内の消費状況を把握する事はできないので、様々な方面の市場調査を行う事でベトナム国内の今を知る事ができます。MAI INTERNATIONALでは、お客様に生きたベトナム市場情報を提供し、ベトナム国内市場を攻略する為にどの様な活動を行えばよいのかという販売戦略をお客様と共にさせて頂いております。
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