この記事のポイント
- 既存店で生産性が向上
- デリバリープラットフォームとの連携
- 2026年も出店攻勢、ハノイで新規40-50店舗
フックロンが2四半期連続で過去最高益
地場メディアの記事によると、マサングループ傘下の紅茶・コーヒーチェーン「フックロン(Phúc Long)」が、2026年Q1に2四半期連続で過去最高の利益(EBITDA)を更新しました。背景にあるのは、平均で1日あたり売上60億VND超という高い販売効率と、デリバリーチャネルの急伸です。単に店舗を増やすだけではなく、既存店の生産性を上げながら“消費機会”を広げている点がポイントです。
数字で見るフックロン(Q1の主要KPI)
純収益は5,690億VND(前年比+34%)、EBITDAは1,180億VND(+46%)
フックロン・ヘリテージ(Phuc Long Heritage)は、2026年Q1に純収益5,690億VND(前年同期比+34%)を記録しました。EBITDAは1,180億VND(+46%)に達し、2022年初頭にマサンが統合して以降で最高水準です。EBITDAマージンは20.8%と、チェーン型F&Bとしては高い収益性が目立ちます。
純利益率10%台まで改善:利益の“質”が上がっている
少数株主持分控除前の純利益は前年同期比で約1.6倍に増加し、純利益率は10.3%となりました。売上成長だけでなく、利益率の改善が同時に起きているため、投資回収(Payback)や出店の再現性という観点でも注目されます。
伸びた理由は「配送×店舗生産性」
デリバリーが小売売上の約3分の1へ:店外需要を取りにいく設計
デリバリーチャネルの収益は67%以上増となり、小売収益の約3分の1を占めるまで拡大しました。店舗立地に依存しやすいF&Bでも、配送を強化すると“時間帯”や“場所”の制約を超えて需要を取り込めます。フックロンはデリバリープラットフォームとの連携を深め、提供範囲の拡大を進めています。
飲料が成長を牽引、食品は次の伸びしろ
飲料売上は約33%増で、小売売上の約86%を占めました。運営効率と顧客体験の改善が、来店数と客単価の両面に効いた形です。一方で、パン・ペストリー・アイス・ヨーグルトなどの食品カテゴリーは小売売上の約8%で安定推移。今後、食品比率を引き上げられるかが、客単価と利用シーン拡大のカギになります。
出店戦略の現在地:キオスクから通常店へ
WinCommerce統合の反省と方針転換
マサンは2021年にフックロンへ投資を開始し、その後追加取得を経て統合を進めました。当初はWinMartなどの小売網にキオスク型店舗を大量展開する構想もありましたが、2022年後半から数百店舗を閉鎖し、通常店舗に注力する方針へ転換しています。ここは「出店数」よりも「収益性と運営の再現性」を優先した意思決定として読み取れます。
2026年は40〜50店の新規出店、下期に加速。ハノイも重点
2026年Q1は通常店舗を3店追加し、WinCommerceシステム外での全国店舗数は205店舗になりました。2026年は40〜50店舗の新規オープンを目標に掲げ、下期に出店ペースが上がる見込みです。加えて、ハノイに40〜50店舗を新規出店し、1日当たり平均売上高と投資回収期間の改善を狙う計画も示されています。
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