ショッピングモールが“遊園地の代替”に、老舗が苦戦

この記事のポイント

  • ショッピングモールが“屋外遊園地の代替”に
  • 売上減、老舗「ダムセン公園(Dam Sen)」が苦戦
  • アトラクションの売上が前年同時期の78%

老舗遊園地が集客で苦境、「モール型レジャー」の躍進

ホーチミン市の老舗レジャー施設「ダムセン公園(Dam Sen)」は、来場者の選択肢が増えたことで集客に苦戦しているという地場メディア記事がありましたので、ご紹介します。

特に大きいのは、ショッピングモールが“屋外遊園地の代替”になってきた点と、若年層の体験消費が「短期イベント」「ポップアップ」「テーマ性のある空間」へ分散している点です。これはダムセンに限らず、ベトナムの集客ビジネス全般に共通する構造変化なので、進出企業側も他人事ではありません。

ダムセン公園の現状:売上減と来場の鈍化が示すもの

運営会社側の説明では、ダムセン文化公園(いわゆる“乾燥公園”)の総収入が前年から減少し、計画未達となりました。公園収益の中核であるアトラクション(チケット販売)への来場も前年同期比で減っており、「入場さえ取れれば勝ち」ではなく「園内で体験・支出が回る設計」がより重要になっています。

  • 昨年の総収入:1,340億VND超
  • 昨年の総収入の2024年比:約17%減
  • 昨年の総収入の計画達成率:80%(計画のわずか80%)
  • アトラクション(チケット販売)来場者数:30万3,900人超
  • アトラクション(チケット販売)前年同時期比:78%(前年同期の78%水準)
  • 中心部(歩行者天国など)の集客:週末・祝祭日に毎日「数万人」(※厳密な人数は元記事に未記載)

なぜ競争が厳しくなったのか:3つの圧力

① ショッピングモールの“食・遊・買”一体モデルが強い

ホーチミンでは大型モールが増え、飲食・エンタメ・買い物をワンストップで完結できる施設が週末需要を吸収しています。屋内型のため天候影響も受けにくく、家族連れにとって「失敗しにくい週末の選択肢」になりやすいのが強みです。結果として、屋外遊園地は“わざわざ行く理由”をより明確に示す必要が出てきます。

② 無料・低価格スポットへの分散(中心部の歩行者天国など)

中心部の歩行者天国やウォーターフロントなど、無料または低コストで楽しめる場所は、週末の人流を強く引きつけます。特に若年層は「とりあえず集まれる場所」を起点に行動が決まりやすく、有料施設に行く動機が弱いと、そのまま分散が進みます。つまり、有料施設は価格以上の“納得感”を体験として提供することが前提になります。

③ Z世代・α世代は「ストーリー型・短期型の体験」を優先しやすい

デジタル消費の増加により、若い世代はポップアップ、テーマフェス、短期イベントなど「今しかない」「撮りたくなる」「共有したくなる」体験に反応しがちです。レジャー消費は“年間パス型の固定客”よりも、“話題で動くライト層”が増え、再来場の確率が下がりやすい構造になっています。運営側は、話題づくりと再訪設計をセットで回す必要があります。

同業・近隣施設との比較で見える論点

競合はショッピングモールだけではありません。市内外のテーマパーク、動物園、水上施設なども、アクセス改善や教育要素、体験プログラムで支持を集めています。たとえば「学び×体験(環境教育、動物とのふれあい等)」や、「写真映えスポットの更新頻度」「イベント運用の上手さ」は、家族・若年層の意思決定に効きやすいポイントです。

娯楽が少しずつ増えてきており、老舗も競争にさらされています。今後、どのような対策を実施していくか注視していきます。参考になりましたでしょうか。

MAI Internationalが支援できること

MAI Internationalでは、ベトナム市場における週末需要(家族・若年層・観光)の動き方を、現地感のある一次情報で整理し、市場調査施策に落とし込む支援を行っています。

※本記事は、公開時点で入手できる情報および一般に公開された資料・報道内容をもとにした整理です。最新情報は必ず当局・企業公表・現地報道等でご確認ください。

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