Dien May Xanhが“ブランド再設計”、小売最大手の家電チェーン

この記事のポイント

  • ブランド刷新に270億VNDを投入、小売競争の激化に対応か
  • CEOのドアン・ヴァン・ヒエウ・エム氏が自身のFacebookで明言
  • 2023年のVinamilk、2025年のDigiworldもリブランディング実施

モバイルワールドが“今”ブランド刷新に投資する理由

ベトナム最大手級の小売グループであるモバイルワールド・グループ(MWG)が、家電量販チェーン「Dien May Xanh(ディン・マイ・サン)」のブランド刷新に100万米ドル(約270億VND)を投じると明らかにしました。狙いはシンプルで、変化の速い消費行動に追随しながら、若くダイナミックな顧客層との接点を強めることです。

小売は「立ち止まった瞬間に古くなる」業界です。認知を取るだけでなく、店舗体験・コミュニケーション・SNS上の語られ方まで含めた“総点検”が必要になりやすい。今回の動きは、MWGが2026年に掲げる「質の高い成長」を、ブランド側から取りにいく意思表示とも言えます。

まず押さえる:Dien May XanhはMWG成長のど真ん中にいる

MWGは携帯販売店「The Gioi Di Dong」、家電量販「Dien May Xanh」、食品スーパー「Bach Hoa Xanh」、ドラッグストア「An Khang」などを展開し、消費市場の“今”を映す存在です。特に近年はBach Hoa Xanhの黒字化と拡大に注力し、北部への出店拡大も話題になっています。こうした事業拡大局面では、グループ全体のブランド資産の整合性も効いてきます。

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背景:Dien May Xanhを伸ばした“旧アイデンティティ”の功績

今回の発表で印象的なのは、CEO(ドアン・ヴァン・ヒエウ・エム氏)が自信のFacebookで「旧ブランドが果たした役割」をきちんと評価している点です。キャッチーな歌と独特なイメージによって、当時は無名だったブランドが全国的に認知され、消費者の心を掴む助けになった——という整理でした。

一方で、消費者のニーズと行動が変わり続ける以上、ブランドも次の段階に移らないといけない。特に家電量販は、価格・品揃えだけで差がつきにくくなり、買い方(分割・オンライン下見・店舗受取)や情報接触(SNS/ショート動画)の変化が“体験の差”として効きやすい領域です。

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刷新の要件:「子ども〜祖父母」まで好かれるブランド

Dien May Xanhがクリエイティブコミュニティ/コンテンツクリエイターに提示した課題は、かなりベトナムらしい“全方位”設計でした。

  • 子どもたちが気に入ること
  • 若者が好むこと
  • 親が信頼すること
  • 祖父母が愛すること

ここがポイントで、これは単なるスローガンではなく「新しいブランドイメージの設計要件」として提示されています。プログラムは2026年4月8日に正式発表予定とされており、どのようなアウトプットが採用されるか注目されます。

日本企業が学べる“要件定義”の置き方

ベトナム市場でブランド再設計をする際、ありがちな失敗は「ロゴ刷新=若返り」と短絡してしまうことです。今回の4条件は、ターゲットを一気に若返らせるのではなく、家族単位での購買(意思決定の分担)を踏まえて、好感・信頼・親しみのバランスを取ろうとしている点が実務的です。

ベトナムで進む“リブランディング競争”

近年はベトナムの大手企業が、時代の変化や若年層の台頭を背景に、ブランド刷新を競うように進めています。記事内でも、2023年のVinamilk、2025年のDigiworldの事例が触れられていました。

世界事例としては、Xiaomiのロゴ変更(2021年)、Pepsiの刷新(2018年)、Mastercardの刷新(2006年)なども紹介されています。費用対効果が議論されがちなテーマですが、SNS時代は「議論されること」自体が認知と想起を押し上げるケースもあり、設計次第で成果の形が変わります。

なにかの参考になりましたでしょうか。

MAIができる支援:市場理解→チャネル実装→検証まで

ブランド刷新は、見た目の変更よりも「市場・消費者・チャネル」で整合性を取る工程が重たいです。MAI Internationalでは、ベトナム市場調査から、MT/TTチャネルでの販促・露出設計、実行パートナー連携まで一気通貫で支援しています。

特に、家電・IT・FMCGなど“店頭の勝ち方”が成果に直結する領域では、現地実務に合わせた設計が効きます。必要であれば、競合の店頭観察・価格/棚割り・プロモーション設計など、具体施策まで落としてご提案します。


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