この記事のポイント
- 比DA、ベトナム米5%砕米の税参照見直しを検討
- ダイ・トム8は430-450USD/トン、5%砕米は361USD
- 2月7日Vinarice発表、参照基準化で香り米価値を明確化
フィリピン農業省(DA)が、輸入米税の算定に使う参照価格を見直す議論の中で、ベトナム米の「5%砕米」ではなく、香り米品種の「ダイ・トム8」を参照基準にする案を検討していると報じられています。
現状の参照として語られることが多い「ベトナム産5%砕米FOB」に対し、ダイ・トム8は約430〜450米ドル/トンの価格帯が示され、価格差が前提として大きく変わる可能性があります。
ポイントは「税の参照が“標準品”ではなく“実際に流通量が多い品種”へ寄るかもしれない」ことです。フィリピン向けに米を扱う企業ほど、品種を起点にした条件設計が重要になります。
「ダイ・トム8」参照課税が示す調達・販売戦略の変化
もし参照価格がダイ・トム8ベースへ動く場合、これまでのように「汎用品の指数(例:5%砕米FOB)」を軸にした説明だけでは、税コストや採算の議論が噛み合いにくくなります。
実務では、見積・契約・SKU(商品規格)を“品種前提”で揃える必要が出てきます。たとえば、品種名の明記、品質スペック、検品項目、クレーム基準などを、取引条件に落とし込む設計です。
また、香り米は「高付加価値」として評価されやすい反面、品質のブレがブランド毀損につながります。取引を伸ばすほど、調達段階からの品質再現性(原料米の均一性)が効いてきます。
FAO公表のFOB価格からダイ・トム8追跡へ
参照価格をFAO公表のベトナム産5%砕米FOBから、ダイ・トム8のような品種価格の追跡へ置き換える議論は、「税の基準が実勢に寄る」方向性とも言えます。
ここで重要なのは、単に税負担が増減する話だけではなく、価格交渉の起点(ベースライン)が変わる点です。参照が変わるほど、仕入・卸・小売の各段階で、価格転嫁や販促費の持ち方が再設計になります。
特に、価格帯が高い品種が基準化されるなら、値付けやプロモーションも「香り米としての価値訴求」を前提に置かないと、利益が削られやすくなります。
実務メモ:採算ラインを作るときの見方
- 税コストは「参照価格×税率」だけでなく、通関・検査・保管のコスト増も含めて試算する
- 品種別(ダイ・トム8/5%砕米など)に原価表を分け、同一品目としてまとめない
- 販売先(量販・外食・EC)ごとに、許容される価格レンジを別管理する
参照基準の議論が進むほど、取引現物との齟齬がリスクになります。「何を5%砕米として扱うのか」「品種は何か」を曖昧にしたまま進めると、価格・税・品質クレームが一気に噴き出します。
また、記事内ではダイ・トム8が権利(著作権/品種権)に言及される品種として触れられており、正規性・表示・トレーサビリティの重要性が示唆されています。調達では、正規代理店や信頼できる企業から、包装・ラベル・ブランド表示が明確な種子・原料を扱う、という考え方がベースになります。
関連して、ベトナム側では食品・農産物の輸入検査運用が変わる局面もあり、輸出入に関わる企業ほど「最新運用に合わせた実務設計」が重要になります。あわせて、食品輸入検査が厳格化、どうなる?通関の混乱と「移行期間」も参照ください。
また、ベトナムの米輸出が伸び、フィリピンなどが主要輸入先になっている点は中期的にも重要な背景です。市場の大きな流れを把握するために、都市化率で見るベトナムの潜在的な成長性もあわせて読むと、全体像を掴みやすいです。
※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。