ベトナムにおける子ども向けお菓子の安全性と、日本ブランドの展開可能性

■路上に捨てられた“正体不明の子ども菓子”、そして6トンの偽造品製造

2025年初頭、ベトナム各地で子ども向けのお菓子に関する衝撃的な事件が続発しました。
ひとつは、中部高原に位置するGia Lai省 Pleiku市で、子ども用お菓子や小型玩具が袋詰めされたまま、大量に道路沿いに廃棄されているのが発見された事件。包装には「日本製」「韓国製」と思わせるような文字が踊るものの、中身の製造元は不明。中国語表記や英語ラベルが混在し、住民の間では「子どもが拾って口にしてしまったら危険すぎる」と不安が広がりました。
さらに追い打ちをかけたのが、首都ハノイで発覚した「6トンの偽造キャンディ製造事件」です。
犯人はハノイ郊外・ホアイドゥック県ラ・フー村に住む男、グエン・ヴィエト・クオン。彼は自宅近くの倉庫を“工場”として使用し、中国から輸入した安価なキャンディ原料と、偽造ブランドの包装資材を使って、お菓子を大量生産していました。
押収時の記録によると、
• 完成品 約23,650袋
• 合計製造量 約6トン
• 流通済みと見られるのは約1,500袋
• 偽装されたブランド名には、日本や韓国の子ども菓子を模倣したロゴや名称
• 製造には日付印字機・簡易封緘機などをネット購入で使用
という“本格的な偽造システム”が構築されていました。中身は正体不明、外見だけがそれっぽく作られた菓子。しかも対象は「子ども」です。
行政はこの事件を「食品としての偽造」として重罪扱いとし、刑事起訴に踏み切りましたが、同様の事件は他地域でも確認されており、子どもの食の安全が明確に脅かされている状況です。

安心・安全の象徴としての「日本製お菓子」

こうした事件を受け、改めて注目されているのが「正規の日本製お菓子」です。
現在、ベトナムではCon Cung、Kids Plaza、Ava Kids、Bibo Martなどのベビー用品チェーンにて、乳幼児向けの日本製菓子(乳酸菌入りビスケット、アレルゲン対応せんべい等)が販売されており、「安心・安全」「日本語表記=信頼できる」というイメージが消費者に強く根付いています。
ただし、品揃えはまだ限定的であり、特に知育要素のある菓子や玩具付きお菓子、無添加・低糖質など機能性のある日本菓子の取り扱いは少なく、今後の市場拡大余地は十分にあります。

今後の法規制と流通への影響
先日のブログ(2025年9月29日|食品安全法改正案まとめ)でも紹介しましたが、ベトナムでは食品・健康補助食品を対象とする規制の強化が進められており、これにより、今後は正規輸入品の申請や許可取得に時間を要する可能性が高くなる一方で、逆に「正式に登録された信頼できる製品」へのニーズは増していくと予想されます。

■まとめ:今こそ“本物の日本品質”が求められている
ベトナムで繰り返される“偽装お菓子事件”は、単なる流通管理の問題にとどまらず、親が子どもに安心して与えられる食品とは何か?という本質的な問いを突きつけています。
だからこそ今、日本企業にとっては
• 偽造されない本物の品質
• 表示の正確さと透明性
• 衛生・製造・配送の信頼性
といった日本ならではの強みを前面に出し、「安全な日本のお菓子を、正規に、速やかに届ける」という展開が、まさに求められているのです。

MAI INTERNATIONALでは、このようなベトナムの社会的な事件を踏まえた市場調査や販売促進が可能です。是非お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。