若者中心に新しいトレンドが生まれるベトナムについて、ホーチミン市に滞在する大学生インターンがじっくり観察し、レポートします。
順当に成長中の国内映画産業

ベトナムの映画市場は近年伸びており、2023年の興行収入は2010年に比べて10倍の225億円にもなりました。一方、日本の興行収入は2,130億円であり、まだ大きく差があります。ベトナムの人口(約1億人)と経済成長率を考慮すると、今後も成長が期待される業界です。
そんなベトナムの映画市場で圧倒的な存在感を誇る、韓国発の映画チェーン「CGV」に行ってきました。CGVはベトナム国内に478のスクリーンを展開し、同じく韓国発祥のLOTTEシネマなどを抑えて市場シェアは45%にも達しています。この2強を中心に、ベトナム国内では近年、商業施設の増加に伴い、このようなシネマコンプレックスが拡大しています。
今回は観るものを決めずに映画館を訪れ、上映時間の都合で12:15開始の「PADDINGTON IN PERU」を観ることにしました。
まずはチケットを購入します。英語対応の公式サイトでも購入できるようですが、今回は有人のカウンターで購入しました。チケットの値段は110,000ドン(約660円)で、日本の1,600円(一般価格)と比較するとかなりお安くなっています。「パディントン 消えた黄金郷の秘密」の日本語吹き替え版は、2025年5月29日から日本の映画館で公開予定です。スタッフは英語が話せたため、翻訳アプリなしで席を購入することができました。平日の真昼間ということもあってか、収容人数約100人のシアターに対し、埋まっている席は2つしかなく、選び放題でした。
次に、お腹が空いたので食べ物を調達します。いつもはホットドック、ソーセージ、トッポギ、マンドゥ(肉/シーフード)の4種類を販売しているようです。ただし、マンドゥ以外は売り切れだったため34,000ドン(約200円)で肉のマンドゥを購入しました。人の少ない平日でこの状況なので、フードは期待しすぎないほうがいいかもしれません。日本とは違い、なんと上映直前に熱々を席まで持ってきてくれました。

日本と同様の品質、IMAXでも

ポップコーンに関しては、チケットと同時に発券してもらった引換券を、食べ物売り場で渡してその場でもらいます(有料)。私はチーズとキャラメルの「ハーフ&ハーフ」を購入しました。
上映15分前になってようやく直前の映画のエンドロールが終わります。スクリーンが真っ暗になると同時に、電気がついて清掃員が入ってきます。5分前になると、スタッフに席でチケットを確認され、再度部屋が暗くなります。
鑑賞環境に関してですが、音声も画面も日本と同じ質で楽しむことができました。今回は体験できませんでしたが、高解像度映像で知られるIMAXも備えてあるようです。英語音声・ベトナム語字幕であったため、内容も理解することができました。ちなみに内容は、主人公のパディントンが、失踪した育ての親を探して冒険に出る物語で、家族愛を描いた心温まる作品でした。
後から調べてみると、英語の音声にベトナム語字幕がついている映画が多く、韓国語音声の映画も数本あるようです。最近、若者で流行している映画はINTERSTERAR(英語音声・ベトナム語字幕)だということですが、ベトナムの若者世代が自分達の文化に近いコンテンツを求める傾向もあるようで、今後ベトナム語吹き替えの映画が増えていくかもしれません。
今回訪れた映画館(CGV Vincom Center Landmark 81)
Tầng B1 , TTTM Vincom Center Landmark 81, 772 Điện Biên Phủ, P.22, Q. Bình Thạnh, HCM
https://www.cgv.vn
今回鑑賞した映画の日本語サイト
https://paddington-movie.jp
全体的に、日本の映画の方がまだまだ規模が大きいように感じましたが、広いイートインスペースやしっかりとソースが絡んだキャラメルポップコーンなど、日本でも取り入れてほしいサービスがいくつもありました。ベトナムに訪れた際には、ぜひ一度映画館に足を運んでみてください!(インターン生・Iさん)

国内の経済成長率は近年も6~7%台を維持しており、国民の所得も増加しております。可処分所得が増えれば、映画などのエンターテイメントにお金を使う人も増えると予想され、今後もこの傾向は続くと考えられます。映画市場は今後も拡大する可能性が非常に高い分野になります。
MAI INTERNATIONALでは、このようなベトナムのトレンドを踏まえた市場調査や販売支援が可能です。是非お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。