先月、タイのセントラルグループの小売部門セントラルリテールが、ベトナム事業への追加の出資計画を発表しました。2022年からの5年間で、1,130億円超の追加出資を行うそうです。
同グループはすでにベトナムで事業を行っており、小売チェーン「BIG C」13店舗、大型小売チェーン「GO! Market」25店舗、デパート「ロビンス」2店舗、家電量販「グエンキム」51店舗などを運営しています。(2022年7月現在)
この追加出資分は、ベトナムでの出店戦略に伴う市場調査やECサービスの拡充に充てられるとのことです。

公式Facebookより

“タイの小売りキング”セントラルグループとは

タイの小売り最大手とされ、「セントラル・ワールド」などの都市型モール、「セントラルプラザ・ウエストゲート」などの郊外型モール、「BIG C」「トップス」などの小売りチェーンを運営しています。タイ国内でも出店拡大を加速させており、実店舗とネット通販を融合させるオムニチャネル戦略などにも積極的です。

同グループは年間売上が1兆円超あげていると考えられており、小売り事業を中心に据えた巨大コングロマリットとして、チャロン・ポカパン(CP)グループやレッドブルグループと並び、“タイ5大財閥”のひとつとされています。

もともとはベトナム地場企業だった「グエンキム」を2020年に買収するなど、ベトナム市場に対して積極的です。

公式Facebookより

これから予測される取り組み

バンコク郊外に2019年にオープンにした、タイ初の本格的な ラグジュアリーアウトレットモール「セントラルビレッジ」も同グループ傘下のセントラルパタナによるものです。

全体の規模は東南アジア最大級の6万平米。アウトレットだけでなくフードゾーンや、ゴーカートエリアなど遊戯を含めた複合的な商業施設としてファミリー層を中心に集客に成功しています。300ブランドを超えるショップが出店しています。

単なる小売りだけでなく、このような幅広い業態のデベロッパーとしてのノウハウを持つのも特徴です。国内でサイアムグループやザ・モールグループなど競合と集客で日々しのぎを削っており、このようなタイでの経験はベトナム事業を行う際にも優位性があるとされています。また、同施設は、日本の三菱地所も共同で出資していることでも知られています。

ベトナムも中間層の拡大により都市と郊外にショッピングモールが増えてきております。中長期的には、このような大規模商業施設も誕生することでしょう。

今回のベトナムへの投資拡大は小売りに関してですが、今後は従来のショッピングモールだけにとどまらない事業でベトナムに投資を行うことも考えられます。

セントラルグループの、ベトナム市場での取り組みに今後も目が離せませんね。

MAIインターナショナルでは、この様な変化の激しいベトナム小売業界の市場調査やテストマーケティング、戦略策定が可能です。

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