ベトナム企業からも安堵の声、食品安全法令の改正の停止延長

この記事のポイント

  • 地場ニュースに、企業側のコメント「安心」
  • 業界団体からも問題提起の声
  • 制度詰め直しの延長期間か、議論続く

<本政令は、状況が流動的に変化することが想定されます。本記事の内容は、あくまでも2026年3月31日時点での内容になります。そのために、閲覧時には最新の状況と異なっている場合がございます。あらかじめご了承ください>

政令46/2026・決議66.13の「停止延長」に、現場企業は安堵

2026年3月、食品安全に関する新ルール(政令46/2026/NĐ-CP、決議66.13/2026/NQ-CP)の一時停止期間を延長する方針が示され、農業・食品分野の企業では「ひとまず落ち着いた」という受け止めが広がっています。特に輸入・通関に直結する規制だったため、現場の反応はかなりストレートです。

企業側の“安堵”が大きい背景は、停止が「短い猶予」ではなく、制度の詰め直し(ガイダンス整備)を前提にした延長として語られている点です。言い換えると、現場としては「いつ再適用されるのか分からない不安」よりも、「不備を直してから運用してほしい」という要望が勝った形です。(Dân trí)

地方当局の声:「公式決定は未確定でも、発表が不安を和らげた」

地方行政の現場からも、停止延長の方向性が示されたことで、企業の懸念がいったん落ち着いたというコメントが出ています。たとえばタイニン省の担当者は、公式決定を待つ段階でも、政府機関からの発表が「新規制がいつ再適用されるのか」という企業の不安を軽くした、と述べています。(Dân trí)

業界団体の声:「停止延長は“素晴らしいニュース”。ただし、次の議論に集中したい」

ベトナムの業界団体からは、停止延長を歓迎するコメントが複数出ています。ポイントは、単なる“棚上げ”ではなく、企業側が改正食品安全法案(国会提出予定)に向けて意見を出す時間を確保できる、という見方です。規制が不安定なまま再適用されるより、次の枠組みで整合性を取ってほしい、というメッセージに読み替えられます。(Dân trí)

背景:なぜ政令46は混乱したのか

政令46/2026と決議66.13は、食品安全管理を強化する狙いで2026年1月末から運用されましたが、詳細ガイダンス不足のまま現場に降りた結果、国境ゲートや港湾での混雑・滞留が発生しその結果、一時停止されました。

報道ベースでは、生鮮農産物、半加工の植物製品、一部の加工食品・包装食品で滞留が発生し、短期間で多数のコンテナが動かない状況になったとされています。食品は保管・鮮度・納期の制約が強く、通関が詰まると返品・廃棄・追加コストが一気に出やすいので、企業の反応が大きくなりやすい領域です。

企業・業界団体が求める方向性:「事前の一律検査」より「リスクベースの事後検査」へ

ベトナム水産物加工輸出協会(VASEP)などからは、国際市況の変動で圧力が高い中、一貫しない規制運用がコンプライアンス負担を増やすという問題提起が出ています。さらに、輸入品に求める認証要件が厳しすぎると、海外企業がベトナム基準を満たせず輸入が詰まる、という懸念も示されています。

また、HACCP、ISO、FSSC 22000などの国際基準をすでに回している企業にとっても、追加手続きが増えると二重管理になりやすい、という現場感があります。だからこそ、業界団体はリスクベースでの事後検査(後検査)への移行を提唱し、製品リスクや企業の遵法履歴に基づく分類(検査頻度・方法の最適化)を求めています。

ホーチミン市の食品飲料業界からも、「事前検査を減らし、リスクの高い製品やサプライチェーンに焦点を当てて事後検査を増やす」流れが世界的トレンドだ、という趣旨のコメントが出ています。制度変更のたびに現場が止まるより、運用可能性(執行力)を重視してほしい、という声がベースにあります。

政令46をめぐる混乱と移行期間はこちらの記事でも言及しています。:食品輸入検査が厳格化、どうなる?通関の混乱と「移行期間」

まとめ:停止延長は「安心」よりも「意見反映と運用設計の時間」

ベトナム企業・業界団体のコメントを総合すると、停止延長は「規制が消えた」という意味ではなく、運用可能な形に詰め直す時間を確保した、という意味合いが強いです。日本企業としては、再適用の瞬間に慌てないよう、輸入・表示・取引先運用を“制度変更に強い形”へ整えることが、結局いちばんコストを下げます。

停止延長の要点整理は、こちらもあわせてどうぞ:ベトナム食品安全の法令変更「一時停止期間」延長へ

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