ベトナム「9連休」迫る、工場・物流はどう動くか

この記事のポイント

  • 大学は4/26-5/1休み+前後週末で計9連休に
  • 28-29/4の授業は9/5・16/5(土曜)へ振替実施
  • 公式祝日11日・週44-48時間勤務が休暇設計の前提に

「9連休」(4/26-5/1)は、28-29/4が実務の分かれ目

今年の4月末〜5月頭は、フン王の命日(Giỗ Tổ Hùng Vương)による連休と、4/30(南部解放記念日)・5/1(メーデー)の連休が近接し、間の28-29/4が通常稼働日として挟まる日程です。

一方で、大学など教育機関は「休みをつなげる」動きが早く、ホーチミン市工業大学が4/26-5/1を休みとし、28-29/4の授業を別日に振り替える例が報じられています。

この構造は企業でも起きやすく、カレンダー上は稼働日でも、現場の体感としては“有給申請が集中しやすい2日”になりがちです。日本側が通常稼働前提で工程を置くと、想定外に薄い要員で回すことになります。

連休が長いほど「生産計画」より「出荷締切」が強くなる

輸出型工場では、国内の連休と海外取引先の稼働日が一致しない前提で段取りが必要です。連休の取り方次第で、社内の生産計画よりも輸送・出荷の締切が優先され、最終工程が詰まりやすくなります。

さらに、28-29/4に年休・在宅希望が集中すると、「稼働日なのに戦力が薄い」状態になり、出荷前作業(検品・梱包・書類)ほどボトルネック化しやすいです。連休前後は物流側の混雑も重なるため、出荷可否が読みにくくなります。

連休前後の物流リスクは、年末年始の渋滞でも同じ構造が見られます。たとえば、ハノイ環状3号線が渋滞、“年末シーズン”本格化の事例は「最終日が一番混むとは限らない」点で、休暇設計の示唆になります。

欠勤・遅延を押し上げるのは「帰省移動」とチケット逼迫

ベトナムの大型連休は、都市部から地方への移動が集中し、移動負荷とチケット逼迫が欠勤・遅延リスクを上げます。報道でも、長距離移動に時間がかかること、祝日に近いほど切符が買いにくいことが言及されています。

結果として、従業員側は「間の2日も休んで一度で移動を済ませたい」動機が強まり、稼働日のはずの28-29/4の出勤率が読みにくくなります。

官公庁と民間で運用がずれやすい/公式祝日(年11日)が前提

休暇日程は官公庁(公務員等)と民間で運用がずれ得ます。民間では労働法に基づく祝日を前提に、企業が生産・受注条件に応じて休暇を設計します。

また、ベトナムの公式祝日は年11日(新暦正月、旧正月、フン王の命日、4/30-5/1、建国記念など)という整理が一般的です。

「文化の日(24/11)」追加は“方針”として押さえる

最近の動きとして、政治局の決議80で毎年24/11を「ベトナム文化の日」とし、賃金全額支給の休日化を目指す方針が報じられています(具体化は法改正等のプロセス次第)。

休暇制度はアップデートが入り得るため、「当社の就業規則・団体協約・年休ルールにどう落とすか」を早めに決め、現場に説明できる状態が重要です。

28-29/4を“特別な稼働日”として設計する

1)人員・休暇申請ルール(不公平感を抑えつつ、必要要員を確保)

  • 締切を前倒し:28-29/4に承認が集中しないよう、申請締切と承認フローを前倒し
  • 必須要員の定義:出荷前工程(検品・梱包・通関書類)など、最低配置人数を先に確定
  • 代替要員・引継ぎ:休む前提で、引継ぎ手順(誰が・何を・どこまで)をテンプレ化

「休み方が職場ごとに違うと比較心理が生まれやすい」という指摘もあるため、説明設計(なぜこの配置か)までセットで用意すると揉めにくいです。

2)生産・出荷・在庫(“連休前の詰まり”を避ける)

  • 重要工程を28-29/4に寄せない:遅れると全体が止まる工程は前倒し、または連休後に逃がす
  • 出荷便の仮押さえ:フォワーダー・運送会社に早めに確認し、締切・カットオフを共有
  • 顧客連絡の定型文:休暇影響の可能性(納期・返信遅延)を、先に日英(必要なら越)で準備

物流BCPは、渋滞・事故など“点のトラブル”で一気に麻痺します。関連論点として、山岳地帯トンネルで3台追突、南北高速の重要地点のような事例も、リードタイム設計の参考になります。

3)在宅/オンライン活用(できる業務を分けて、現場負荷を下げる)

学校がオンライン授業や振替で連休化するのと同様に、企業も「当日の対応を最小化する」発想が有効です。

  • リモート可能業務(発注・顧客対応・資料作成)を28-29/4に寄せ、出社必須業務と分離
  • 連休前の会議は短くし、決定事項は文書化して共有(口頭だけにしない)

関連して、テト賞与700×10億ドン支出、ドンナイ靴工場4万2000人の賃金・採用を追うも合わせて見ると、現場感の補助線になります。

MAI Internationalができること

ベトナムの連休対応は「カレンダーを知る」だけでなく、就業規則・年休運用・出荷締切・物流手配まで落とし込んで初めて効きます。MAI Internationalでは、現地情報の整理、市場調査、パートナー探索(物流・ディストリビューター等)、運用設計の伴走をご支援可能です。

※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。

引用元