大手医療マッサージチェーン運営企業、元幹部が詐欺で起訴

この記事のポイント

  • 投資家が1.726 tỉドン送金も株主権が付与されず
  • 737 tỉで配当偽装し、988 tỉドンを実質的に詐取
  • 『chạy án』で26億ドン支払い、10・11・5 tỉを現金手渡し

人気医療マッサージチェーン「Sen Tài Thu」元幹部ら起訴:投資集金と詐欺容疑の概要

きょうは、ベトナム(ハノイ)で注目を集めている社会ニュースを整理します。医療マッサージ・スパ・ヘルスケアで知られた「Sen Tài Thu」グループで、元幹部による大規模な資金集めと詐欺の疑いが報じられました。

ハノイ市人民検察院は、元会長Phạm Thị Hòa氏(68)、元副総裁Nguyễn Thị Thùy Linh氏(45)、元総裁Nguyễn Thị Lan Hương氏(36)の3名を「詐欺による資産の横領罪」で起訴したとされています。

事件のポイント(数値の整理)

  • 投資家から総額1.726 tỉドン超を送金させたが、株主権益が付与されなかったとされる
  • 受領資金のうち737 tỉドン超を「利益」支払いに充当し、988 tỉドン超を実質的に詐取(横領)した疑い
  • 捜査対応を名目にした口利き・もみ消しで26 tỉドンが動いたと報じられている

この手の事件は「投資家が騙された話」で終わりがちですが、企業にとっては提携先選定(与信・DD)と契約設計の教訓が多いです。特に今回の論点は、①資本金(定款資本)の見せ方、②株主権が本当に発生するか、③“それっぽい配当”が出ていても健全とは限らない、の3点に集約できます。

資本金(定款資本)は「数字」ではなく、実態と運用を突き合わせる

本件では「資本金(定款資本)を水増しした」とされる点が示されています。ベトナムでは登記上の数値だけを見て安心してしまうと危なく、出資の払込・資金の所在・資本増減の履歴を、契約と実務運用の両面で確認する必要があります。

期限付きの株式譲渡契約は要注意:「株主権がいつ発生するか」を明文化する

報道では「期限付きの株式譲渡契約」で資金を集めたとされています。ここでの実務ポイントは、送金=出資完了のような曖昧設計を避けることです。株主権(議決権・配当請求権など)がいつ/何を根拠に発生するのか、発生しない場合はどう返金・解消するのかを、契約条項で固めておくのが基本になります。

受領資金の一部が「利益」支払いに回っていた点は、投資家にとって判断を難しくします。ただ、表面的な分配があるからといって、原資が事業利益とは限らないのが怖いところです。

“chạy án”名目の二次被害:第三者の「話が通る」は最大級のレッドフラッグ

捜査過程で、“chạy án(事件もみ消し)”を求めて紹介者を介し「影響力がある」とされる人物に接触したものの、職務権限がなく、実際には働きかけもしていなかった――と報じられています。さらに、要求は約30 tỉドン、実際に合計26 tỉドンが渡ったとされ、現金の手渡しも複数回あったとされています。

ここで重要なのは、紹介者・仲介者が“当局に近い”と装って資金を引き出す二次被害が起きうる点です。現地で事業をやっていると、こういう「口利き」話は残念ながらゼロにはなりません。だからこそ、会社として第三者経由の不透明な接触・金銭要請は遮断するルールを先に作っておくのが現実的です。

MAI Internationalの支援案:提携先選定・与信/DD・チャネル開拓まで一気通貫で

ベトナムでは、投資・提携の入口(相手の実態、契約、資金の流れ)を固めるだけで、事故確率を大きく下げられます。MAI Internationalでは、市場調査(企業・業界の実態把握)、ビジネスマッチング(候補先探索〜面談設定)、現地法人設立サポート(進出スキーム整理)まで、現地実務に合わせて支援しています。

「候補先は見つかったが、与信と契約が不安」「投資ではなく提携で進めたい」など、状況に合わせて設計できますので、必要なところだけ切り出してご相談いただいても大丈夫です。

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MAI International では市場調査、TT/MTチャネル開拓、EC・デジタルマーケティング、現地法人設立支援などを提供しています。ベトナム展開やチャネル戦略を相談したい方は下記よりお問い合わせください。

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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。

引用元:ベトナム紙 Thanh Niên(2026年2月25日付)