この記事のポイント
- BOT投資16,270億ドン、TP HCMの道路改修4案件の一つ
- 約10kmを6車線→10-12車線・幅60mへ拡幅する設計
- 今から2028年まで実施し、渋滞と事故リスク低減を狙う
TP HCM国道1号(Lê Khả Phiêu)拡幅計画の全体像
ホーチミン市は、既存道路を改修する複数プロジェクトの一つとして、国道1号(Lê Khả Phiêu)区間の拡幅を進める計画です。対象はBình TânおよびBình Chánh(旧)を通る約10kmで、起点はKinh Dương Vương通りとの交差点、終点はTây Ninhに接続する位置づけです。
計画では、現状6車線の道路を10〜12車線へ拡幅し、計画幅員は60m。実施期間は現在から2028年までとされています。
また、市は建築・設計案のコンペを実施しており、最優秀案(コードQL02)はVTCOとTedi Southの連名提案とされています。
BOT方式とは(超要点)
BOT(Build-Operate-Transfer)は、民間事業者が資金調達・建設・運営を担い、一定期間の運営後に国や自治体へ移管する枠組みです。インフラ側の整備スピードが上がりやすい一方、運営設計(交通運用や料金・規制等)が現場に影響し得るため、周辺情報の継続ウォッチが重要になります。
TP HCM〜メコンデルタ物流の“ボトルネック”はどう変わるか
この国道1号区間は、TP HCMからメコンデルタ(miền Tây)方面へ向かう「主要ゲートウェイ」である一方、慢性的な渋滞が起きやすい“詰まり”としても知られています。道路幅の制約や、自動車とバイクの分離帯が十分に整備できないことが、事故リスクの背景として指摘されています。
企業の実務でまず大事なのは、完成効果を待つより先に、工事が続く2028年までの不確実性を織り込むことです。具体的には「遅延は例外」ではなく「起こり得る前提」として、納期・在庫・配車計画を組み直しておく方が、サプライチェーン全体のブレを小さくできます。
一方で完成後は、渋滞・事故の低減により到着時刻の読みやすさが改善する方向に働きます。結果として、待機やヤード滞留を前提に置いた余裕時間を削りやすくなり、補充頻度や積載効率の見直しを進めやすくなります。
Kinh Dương Vương/Bình Điền橋/Bình Thuận:結節点設計が示す“交通の変わり方”
Kinh Dương Vương交差点:高架+ラウンドアバウトで衝突点を減らす
交差点部では、橋梁(高架)と環状交差点(ラウンドアバウト)を組み合わせ、各方向の動線の「衝突」を減らす考え方が示されています。物流目線では、交差点の処理能力が上がる一方で、工事中は合流・車線変更のリスクが上振れしやすいので、通過時間の実測と注意喚起(ドライバー教育)が効いてきます。
Bình Điền橋:既設橋+新橋で車線拡大、歩行者動線も
Bình Điền橋は既設橋の歴史がある前提で、新たな橋を追加して車線拡大を図る計画とされています。橋梁工事は局所的に詰まりやすく、迂回判断のトリガー(何分遅れたら切り替えるか)を事前に決めておくと、現場が混乱しにくくなります。
Bình Thuận結節点:幹線・高速接続+将来の都市鉄道も視野
Bình Thuận結節点はNguyễn Văn LinhやTP HCM–Trung Lương高速に接続し、将来は都市鉄道(Metro 3号線)も見込むとされています。ここは「車流だけでなく歩行者処理も設計要件に入る」タイプの結節点なので、周辺で交通運用が変わる局面では、構内導線・入出庫時間帯の調整が効きます。
インフラ整備は単体で見るより、周辺の新ルート開通や高速接続とセットで評価したほうが判断が安定します。関連テーマとして、近隣で接続改善が進む例はドンナイ省で2本の新ルート開通、約3,000億ドン投入も参考になります。
また、メコンデルタ側の幹線整備が物流コストに波及する見方は、高速が全線開通、カマウ産エビの物流コスト減に期待もと合わせて読むと、評価観点(時間短縮→コスト→拠点再設計)が整理しやすいです。
現地情報×運用設計で“遅延を利益に変える”
周辺投資や産業集積の変化も絡む場合は、投資環境の全体像として過去5年で最高水準のFDI流入|2025年のベトナム投資環境と日本企業のチャンスもあわせて確認すると、意思決定の前提が揃いやすくなります。
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