クアンガイ省ズンクアットでLNG港・貯蔵、燃料調達とEPC商機は

この記事のポイント

    • ゲクアンガイ省ズンクアット経済区で、LNG港・貯蔵庫の計画が提案
    • 製造業の拠点は、燃料調達の選択肢としてLNGを検討しやすくなる可能性
    • エネルギーインフラ案件は工場用途で需要拡大

ズンクアットでLNG港・貯蔵庫(3,769億ドン)計画:まず押さえる3点

クアンガイ省ズンクアット経済区で、LNG港・貯蔵庫の計画が提案されています。ポイントは①19haで年約120万トンの処理能力、②0.5+0.7(年50万トン→年70万トン追加)の2段階、③総投資3,769億ドン/土地賃借を前提に50年運営という骨子です。

背景には、ズンクアット経済区・工業団地の需要に加え、ズンクアット製油所が2023年から燃焼燃料をLNGへ転換している点が挙げられます。つまり「使い手がいる」状態を前提に、供給インフラが追いかける構図になりつつあります。

クアンガイ省ズンクアットのLNG港・貯蔵計画の概要(19ha/年120万トン)

19ha・年120万トン、2段階(0.5+0.7)で立ち上げ

報道ベースでは、クアンガイ省人民委員会(UBND)との会合で、ズンクアット経済区管理委員会が計画概要を示したとされています。予定地は東側工業区エリアで、敷地は19ha、処理能力は年約120万トンです。

立ち上げ方は「快速供給」段階で年50万トンを先に動かし、その後の第1段階で年約70万トンを追加する二段階。需要の立ち上がりに合わせて、設備投資を分割していく設計だと読めます。

総投資3,769億ドン/土地賃借を前提に50年運営

提案主体はVạn Tường Energy社(設立母体としてHai Linh社の関与が言及)で、総投資は約3,769億ドン。稼働期間は、国から土地の交付・貸与を受けた日を起点に50年とされています。

ここは企業が見落としやすい実務ポイントで、運営期間の起点=用地手続きが完了した日になります。設備計画だけでなく、「いつ起点日が確定するか」を工程表・契約条件に織り込むのが重要です。

日系にとっての実務インパクト:燃料調達とEPC・設備商機

燃料調達の選択肢が増える(既存需要家がいる)

ズンクアット製油所が2023年にLNG利用へ転換し、LPGやFOの代替を進めている点は、同地域に「LNGを実際に使う需要家」が存在する根拠になります。製造業の拠点にとっても、燃料調達の選択肢としてLNGを検討しやすくなります。

電力・蒸気などエネルギー調達の全体像を見直すなら、あわせて電力需給の動きもセットで確認しておくと判断が早いです(例:EVN累積損失の圧縮とベトナム電力需給)。

配管・バルブ・据付など、周辺工事の案件化を読む

投資家側は、港から貯蔵施設、さらに貯蔵から需要家までのガス配管への投資も想定しているとされています。これは、配管敷設・付帯設備・計装など、周辺工事が「後から」ではなく「最初から」検討対象に入っているということです。

日系企業目線では、以下の領域で参入余地が生まれやすいです。

      • EPC(設計・調達・建設)や据付管理
      • 機器供給(配管・バルブ・継手・安全弁・計測機器など)
      • 安全・保安(運転監視、保全、教育訓練)

また、LNGを用いた商用電力・産業用蒸気の生産計画も言及されており、需要家側は「燃料」だけでなく、蒸気・熱源・動力を含む運用設計の見直しが論点になります。環境負荷低減(石炭・石油よりクリーンという整理)を重視する工場ほど、受入設備や切替投資の検討が進みやすいはずです。

国内LNGインフラの文脈:Thị Vải・Cái Mép稼働と燃料転換

稼働中の基地と、新拠点計画の位置づけ

LNGは、受入・貯蔵・再ガス化を通じて発電所や工業団地へ供給でき、需給の調整にも寄与するインフラです。国内ではThị VảiやLNG Cái Mépなど、一部のLNG基地がすでに稼働していると整理されています。

また記事では、Hai Linh社が2025年8月にLNG Cái Mépの港湾・貯蔵施設を落成した点にも触れています。新拠点計画は、既存インフラの延長線上で「供給網を厚くする」位置づけと見るのが自然です。

製油所の燃料転換(LPG/FO代替)が示す“実需”

クアンガイではLNGを必要とする工場があるとされ、ズンクアット製油所は2023年から燃焼燃料をLNGへ転換しています。ここが重要で、エネルギーインフラ案件が「政策・構想」だけではなく、工業用途の実需(発電・蒸気・燃焼)に引っ張られて拡大し得る点です。

一方で、現時点では詳細情報が限られるため、今後の続報(許認可、需要家確保、配管ルート、実行スケジュール)を確認しながら、関与の入口(商談テーマ)を設計していくのが現実的です。

手続き支援を追い風にする:進出・提携を前に進める実務

当局支援を「使う」ための論点整理

行政側は計画が開発方針に合致するとし、関係機関が投資家の手続き支援や障害の解消に当たるよう求めているとされています。ここは「様子見」よりも、早い段階で論点を整理して当局窓口に載せた方が前に進みやすい局面です。

      • 許認可(港湾・危険物・保安など)の主管と必要書類
      • 用地(起点日)と賃借条件、周辺インフラ接続
      • 需要家側の切替計画(受入設備、ボイラー改造、操業影響)

「どこに聞けばいいか」を迷う領域ほど、現地の調整力が効きます。検討段階から情報を取りに行くなら、市場調査で一次情報の取りまとめ、案件化するならビジネスマッチングで投資家・施工・需要家の接点づくり、という形で段階的に進めるのがやりやすいです。

現地法人の有無が“手続き速度”に直結することも

記事では、手続きの便宜のため現地で会社を設立している点にも触れています。申請・調整が多いインフラ案件では、現地法人(または同等の拠点)を持つことで、関係機関とのやり取りが日常運用に落ちやすく、次工程に必要な情報・書類の回収も進めやすくなります。

体制づくりから検討する場合は、現地法人設立サポートも含めて「いつ何を整えるか」を逆算するのがおすすめです。

※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。

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