この記事のポイント
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- イラン情勢の影響がベトナムでも、ご出張計画の予算に今後は注意
- ベトナム民間航空局(CAAV)が国内線で燃油サーチャージ適用提案
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【国外要因→ベトナム国内への波及】イラン情勢を背景に、ベトナム国内線で燃油サーチャージ案
2026年3月に中東の地政学リスク(特にイランを巡る緊張)が高まり、原油・航空燃料市場の変動要因となっています。ここで重要なのは、これは「中東のニュース」で終わらず、ベトナム国内の制度提案や航空運賃・便数として影響が具体化し始めている点です。ベトナム民間航空局(CAAV)は、ジェット燃料(Jet A-1)価格の急騰と供給不安を受け、2026年4月1日〜6月30日の期間に国内線へ燃油サーチャージを適用することを提案しています。情報の対象は「ベトナム国内の動き」であり、海外(日本)側の出張・拠点運営判断に使える形で整理します。(出典:VOV)
提案の概要:2026年4〜6月、国内線ベーシックエコノミーに燃油サーチャージ
CAAVの提案は、国内航空輸送を安定的に維持するため、燃料価格の急変局面で企業と乗客が負担を分担する考え方です。対象は国内線のベーシックエコノミークラスとされ、期間は2026年4月1日〜6月30日の3カ月です。ベトナム国内では、燃料費が運航コストの35〜40%を占めるとされ、燃料価格の上振れが運賃と運航計画に直結しやすい構造です。
イランを巡る緊張による「ベトナム国内の燃料コスト・供給不安」
記事では、中東情勢の緊張が世界のエネルギー市場に直接影響し、航空燃料の価格変動を大きくしたと説明しています。2026年3月のMOPS Jet A-1平均価格は1バレルあたり190〜200米ドルが見込まれていた一方で、3月24日に234.34米ドルへ急騰したと報じられています。現物プレミアムも急上昇し、1バレルあたり30米ドル超、時に40米ドル近くまで達したとされます。こうした「国外発の価格ショック」が、ベトナム国内では運賃制度の議論や供給不安として可視化してきています。
燃料価格だけではない:関連コストも総コストを押し上げ
燃料単価の上昇に加え、精製費用、戦争リスク保険料、地域の精製能力低下による供給不足などの関連コストが、航空燃料の総コストを押し上げる要因とされています。さらに、ベトナム国内の供給は依然として輸入依存が大きいとも指摘されています。現状では、供給は2026年4月中旬までしか保証されない可能性があり、それ以降はより高いスポット価格で購入せざるを得なくなるリスクが示されています。つまり国外の地政学要因が、国内では「調達条件の悪化」として影響が出ている構図です。
燃油サーチャージで、ベトナム国内航空運賃は4月から上昇する可能性
CAAVは、国内航空旅客輸送サービスに燃料サーチャージ制度の適用を認めることを提案しています。ポイントは、今回のサーチャージが現行の上限運賃(価格上限)を超える形になり得るとされている点です。平時は上限を意識しない購入でも、需給が詰まりやすい局面では「上限+追加料金」の影響が見えやすくなります。海外からベトナム出張を組む企業にとっては、国内移動のコスト見積りに幅を持たせる必要が出てきます。(出典:VOV)
500〜850km(例:ハノイ〜ダナン)
- 燃料価格が220米ドル/バレルの場合:追加料金は約297,000VND/枚、上限運賃は約316万VNDへ上昇見込み
- 燃料価格が250米ドル/バレル超の場合:追加料金は約365,000VND/枚、上限運賃は約325.5万VNDの可能性
短中距離でも、人数が増えると企業の旅費総額に効いてきます。監査・工場支援・営業巡回などで月に複数回移動が発生する企業は、4〜6月の上振れを前提に予算を組んでおくと安全です。(出典:VOV)
1,000〜1,280km(例:ハノイ〜ホーチミン市)
- 追加料金は約450,000〜553,000VND/枚
- 上限運賃は約340万VNDから約400万VND近くまで上昇する可能性
日系企業の利用が多い幹線で、価格上昇の影響が出やすい距離帯です。運賃上昇だけでなく、減便が重なると直前発券のコスト増が起きやすくなります。出張頻度が高い企業ほど、「発券は出発の何日前まで」といった社内ルールを明確化するとブレを抑えやすくなります。(出典:VOV)
1,280km超(例:ハノイ〜フーコック)
- 追加料金は約553,000〜680,000VND/枚
- 上限運賃は約455万〜468万VNDまで上昇する可能性
長距離路線は追加額が大きく、イベント・展示会・拠点間移動が重なると予算超過が起きやすいゾーンです。海外からベトナム国内の複数拠点を短期間で回る計画を組む場合は、移動日程に余裕を持たせるだけでも実務の安定度が上がります。(出典:VOV)
運航体制を調整:値上げだけでなく「便数」にも影響
燃料高の局面では、運賃の上振れと同時に運航計画の見直しが起こりやすくなります。記事では、航空会社は主要路線(ハノイ-ダナン-ホーチミン市など)や政策的・経済的に重要な路線を優先しつつ、2026年4月以降は燃料費高騰により計画調整を迫られる可能性が示されています。これは国外要因が、ベトナム国内では「運賃」と「供給(便数)」の両面で現れる例です。(出典:VOV)
主要各社の動き(記事記載)
- ベトナム航空:4月1日から国内線7路線を運休、2026年第2四半期に月間700〜1,700便を削減する計画
- ベトジェット航空:4月の旅客数を約18%削減、国内線は22%削減する計画
- バンブー・エアウェイズ:1日15〜17便に減便する計画
- パシフィック航空:輸送能力を8〜30%削減する予定
- ヴィエトラベル航空/サン・フー・コック航空:当面は規模維持(必要に応じて調整)
便数が絞られると、席の取りづらさが直前コスト増に直結します。海外からの出張で国内移動を組み込む場合は、4〜6月は特に「チケット価格」だけでなく「座席確保の難易度」もリスクとして織り込むのが現実的です。(出典:VOV)
当局が併せて検討する“コスト緩和策”
記事では、燃油サーチャージに加えて、Jet A-1に対する輸入税を0%に据え置くこと、環境保護税を1リットルあたり1,000VNDに引き下げること、さらに付加価値税(VAT)の引き下げ検討などが推奨されています。また、ACV、VATMなどと連携し、着陸・離陸・航空交通管制サービス料金の引き下げ検討にも触れています。こうした“国内側の緩衝材”がどこまで機能するかで、実際の負担感は変わり得ます。(出典:VOV)
今回のポイントは、燃料高の背景(イランを巡る緊張など中東リスク)は国外要因でありながら、ベトナム国内では燃油サーチャージ提案(2026年4/1〜6/30)、運賃上昇見込み、航空会社の減便・路線調整という形で、すでに“国内の実務課題”として現れていることです。4〜6月は、旅費予算をレンジで管理し、発券運用を整え、必要に応じて代替移動も織り込むと、現場の混乱と予算超過を抑えやすくなります。
※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。
参考:VOV.VN 原文
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