この記事のポイント
- ホーチミン市人民委員会(UBND TP HCM)が、乾季ピーク(4〜6月)に向けて商工省・国家電力システム/電力市場運用会社(NSMO)へ電力の優先供給を要請
- 需要見通しは基準シナリオ9,556MW、増加シナリオで最大10,059MW
- 夕方ピーク(17〜20時)に約354MW不足の可能性。極端なシナリオでは723〜1,226MW不足も想定
ホーチミン市(TP HCM)が乾季4〜6月の電力優先供給を要請
本日は、現在多くの企業が懸念しているエネルギー問題の関連ニュースを紹介いたします。
ホーチミン市人民委員会(UBND TP HCM)は、乾季の需要ピークとなる4〜6月に向け、商工省およびNSMOに対して電力の優先供給を要請しました。
背景として挙げられているのは、中東地域の紛争による世界的なエネルギー供給への影響、天候の複雑化、そして電力需要の増加です。市としては「安定供給が急務」という位置づけです。
需要予測は、基準シナリオで9,556MW、増加シナリオで最大10,059MW。NSMOの試算では、増加シナリオで夕方ピーク(17〜20時)に約354MW不足の可能性があり、極端なシナリオでは723〜1,226MW不足も想定されています。市はこのため、ピーク時間帯の出力抑制(カット)を最小化するよう求めています。
企業への影響:夕方17〜20時の供給制約が起きる前提で考える
今回のポイントは、「停電が確定」という話ではなく、需給状況に応じて“制約が入り得る前提”で運用を組み立てる必要がある、という点です。市当局も「生産・事業活動と市民生活の確保」を掲げていますが、裏を返すと、ピーク時間帯は調整要請(節電・需要移行)が強まりやすい局面です。
工場・倉庫・物流拠点では、夕方帯(17〜20時)に充電、加熱、コンプレッサー稼働、空調負荷などが重なると、影響が出やすくなります。特に、出荷締め時間が夕方に集中する業態は、電力制約が「リードタイム」や「積み込み計画」に波及しやすいので要注意です。
また、当局・電力側は、送配電網の増強や工事の前倒し、柔軟な運用計画の構築と並行して、住民・企業へ節電とピーク時間帯からの需要移行を呼びかけています。つまり企業側は、操業計画(シフト・稼働時間・工程順序)を“調整できる余地”を残しておくほど、現地オペレーションが安定しやすくなります。
なお、停電・災害など“複合リスク”としてBCPを強化するなら、EVNHANOIの復旧・安全運用の考え方は参考になります。ハノイ電力公社の取り組み紹介、40℃猛暑・洪水でも電力維持もあわせてご覧ください。
電力リスクは「投資判断」「拠点設計」にも効く:進出・増設時の見落としどころ
ホーチミン都市圏は消費市場・人材・サプライヤー集積が強みですが、需要増が続くほど、電力・物流などインフラのボトルネックが論点になります。進出・増設の局面では、賃料や人件費だけでなく、操業安定性(電力・道路・港湾・倉庫)を“セット”で確認するのが実務的です。
投資環境とインフラ整備の流れを俯瞰したい方は、過去5年で最高水準のFDI流入|2025年のベトナム投資環境と日本企業のチャンスも参考になります。
本件は心配なトピックですが、引き続き状況を注視されることをオススメいたします。
MAIの支援案:電力リスクを織り込んだ現地オペレーション設計
MAI Internationalでは、市場調査から進出計画、拠点立ち上げ後の運用設計まで、日本企業のベトナム展開を実務目線で支援しています。電力リスクについても、現地の関係者ヒアリングや運用フローの整備など、「現場が回る形」への落とし込みをご一緒できます。
引用元:TP HCM kiến nghị ưu tiên cung cấp điện mùa khô(VnExpress)
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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。