ガソリン買いだめ増、ベトナム商工省が供給確保を強調

この記事のポイント

  • 国内需要の約70%をDung Quất・Nghi Sơnが生産
  • 輸入は約30%、4月は価格上昇で調達難の予測
  • ハノイ4-8.3販売量+50%、買いだめ抑制が焦点

ガソリン価格調整後に買いだめ発生、商工省が国内供給確保を強調

中東情勢の不透明感が高まるなか、ベトナムでも「ガソリンが足りなくなるのでは」という不安が広がり、買いだめ行動が目立ち始めています。3月7日の価格調整後、商工省(Bộ Công Thương)は供給見通しを説明し、「供給は確保されており、買いだめは不要」と強調しました。

供給の柱は、Dung QuấtとNghi Sơnの2製油所です。Dung Quấtは4月末まで原油が確保されているとされる一方、Nghi Sơnはクウェート原油への依存がリスク要因として示されています。ただし、在庫や輸送中ロットで当面の生産を維持しつつ、追加調達策を探している、という整理でした。

“局地的”な需給ブレが、企業オペレーションの難易度を上げる

報道では、ハノイで3月4〜8日の販売量が平常時より増加し、地域によっては携行缶などでの購入や小瓶での販売も確認されたとされています。さらに、一部店舗が一時的に特定商品を販売停止したものの、補給後に再開した事例も挙げられました。

ここで重要なのは、全国一律に不足するというよりも、「地域・タイミングによって供給体感が揺れる」点です。拠点が複数地域にまたがる企業ほど、いつも通りの配車・ルート設計が崩れやすく、結果として輸送費や手配工数が膨らみやすくなります。

輸入30%依存と局地的需要急増がベトナム操業・物流コストを揺らす

ベトナムは燃料の約30%を輸入で補っています。3月は「概ね確保」とされる一方、4月は価格上昇に加え、エネルギー安全保障の観点から輸出を抑える国があるため、輸入が難しくなる見通しが示されています。

日本企業にとっては、燃料そのものの確保だけでなく、調達不確実性が上がるほど「輸送計画の変更回数が増える」点が実務的に効いてきます。特に、工場間輸送・配送・建設現場の資材搬入などは、1回の遅延が連鎖しやすく、現場側の調整コストがじわじわ積み上がります。

建設・プロジェクト案件は、工程バッファと代替調達の設計が効く

報道では、農業需要(収穫期)や大型工事需要の増加が、進度に影響し得るリスクとして触れられています。建設・プロジェクトを抱える日系企業は、燃料消費が増える局面で施工機械の稼働や資材搬入に波及し得るため、工程側でのバッファ設計と、代替調達ルート(地域・取引先・納入条件)の事前確認が論点になります。

流通・小売に関与する企業は「ため込み」誤認を避ける

当局は買い占め・不当な値上げ、密輸対策を進めており、検査・取締りを強化しています。流通・小売に関与する企業ほど、在庫積み増しや出荷調整が「ため込み」と誤認されないよう、需要変動の根拠、社内承認フロー、取引記録を揃え、現場判断を監査可能にしておくことがコンプライアンス上の守りになります。

Dung Quất・Nghi Sơnの供給70%体制と4月輸入難の背景:価格要因と政策要因が同時に効く

国内需要の大半を2製油所が担う構造は、裏を返すと「どちらかの条件が揺らぐだけで、需給見通し全体が不安定化しやすい」ことを意味します。Dung Quấtは当面の原料確保が見えている一方で、Nghi Sơnは調達先の偏りがリスクとして明記されました。

輸入については、4月に価格上昇と輸出抑制が重なることで、調達環境が厳しくなる見通しです。つまり、価格(市況)と政策(輸出抑制)が同時に効き、輸入の選択肢が狭まりやすい局面だと言えます。

当局の打ち手:価格安定策と取締り強化をセットで運用

報道では、当局が価格安定策(税の調整案や安定化策の検討)に言及しつつ、買い占め・不当値上げ・密輸を抑えるための検査・取締り強化も示しています。企業側は「価格が上がる/下がる」だけに注目するのではなく、需給が揺れたときに市場秩序を維持するための運用(監視・検査)が強まる前提で、記録整備と説明可能性を確保しておくのが安全です。

中期(四半期)で効く:エネルギー調達の“選択肢”を増やす

燃料調達の不確実性が高まる局面では、電力・燃料・蒸気などのエネルギー調達をセットで見直すほど、リスク分散が効きます。関連論点として、エネルギーインフラの動き(例:ズンクアットのLNG港・貯蔵計画)や、電力需給の構造(北部の逼迫など)も合わせて押さえると、BCPの設計が現実的になります。

また、物流の前提が変わる投資・インフラ計画も、輸送コストとリードタイムに直結します。メコンデルタ側の港湾・物流戦略のように、供給網を厚くする動きが進むほど、拠点配置や輸配送設計の再検討余地が出てきます。

MAI Internationalができること

燃料・物流の不確実性が上がる局面では、「何が起きているか」だけでなく、拠点・取引・契約条件に落とし込んだ対策設計が必要になります。MAI Internationalでは、市場調査による一次情報整理、現地パートナー探索(物流・調達・小売・当局対応)、チャネル戦略設計まで、状況に合わせて支援可能です。

ベトナム市場への進出・マーケティングに関するご相談

MAI International では市場調査、TT/MTチャネル開拓、EC・デジタルマーケティング、現地法人設立支援などを提供しています。ベトナム展開やチャネル戦略を相談したい方は下記よりお問い合わせください。

お問い合わせフォームへ

※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。

引用元:Bộ Công an phối hợp kiểm tra ngăn chặn ‘găm hàng’ chờ tăng giá xăng dầu(Thanh Niên, 2026/03/09)