この記事のポイント
- 2050年に「島の遺産・スマート・グリーン」化を目指す
- 総合港は25万トン級船に対応、年2,000万トン想定
- 本土から14km超の沖合拠点、港は約17kmで事業検討が鍵
ホンコアイ島を2050年に「島の遺産」へ:25万トン級港と物流戦略
きょうは、メコンデルタ最南端に近いカマウ省のホンコアイ島(Hòn Khoai)開発について、計画の読みどころと日本企業の論点を整理します。ポイントは「港を作る話」だけでなく、港を起点に物流・海事サービス・安全運用までを一体で設計する構図になっていることです。引用元の報道では、省計画の調整決議(2021–2030、2050年展望)が示されています。
カマウ省の2021–2030計画でホンコアイ島を「島の遺産」へ(2/25承認)
カマウ省人民評議会(HĐND)は、2021〜2030年期・2050年展望の省計画を調整する決議を可決し、ホンコアイ島をナムカン経済区、フオックロン都市と並ぶ「新たな成長極」の一つに位置付けました。ホンコアイ群島は本土から14km超の沖合にあり、港湾の玄関口として総合港・物流拠点・再生可能エネルギー・海島観光・漁業後方支援を担う方針です。さらに2050年までに「島の遺産」「スマート島」「グリーン島」を目指す方向性も示されています。
ここで押さえたいのは、ホンコアイが「観光の島」ではなく、海の玄関口(ゲートウェイ)として政策上の役割を与えられている点です。メコンデルタ側の産品(農水産・加工品)が港・幹線道路にどうつながるかで、輸送コストとリードタイムが変わります。最近のメコンデルタでは高速道路の全線接続なども進んでおり、サプライチェーンの再設計余地が広がっています。関連して、物流時間の短縮がコストに効く話は高速が全線開通、カマウ産エビの物流コスト減に期待もも参考になります。
ホンコアイ深水港・物流・再生可能エネルギーで生まれる商機と留意点
計画上、ホンコアイは総合港(港湾)・物流センター・海事サービスを含む拠点機能として位置付けられ、2030年までに戦略的インフラへの優先投資が示されています。これは、港湾関連の建設・荷役・保守だけでなく、港を前提にした物流オペレーション(拠点運営、周辺サービス)でも参入余地が出やすい、という意味合いです。
日本企業目線での勝ち筋は「設備納入」単体より、運営・保全・安全を含むサービス設計をどこまで組み込めるかに寄ります。港の玄関口機能と物流中心の方向性が併記されているため、港湾運営と物流機能をつなぐ提案(KPI設計、運用手順、保全体制)ほど評価されやすい構図です。
一方で計画には、海上監視の強化、航行安全の確保、捜索救難の方針、国防・安全保障上の位置付けも明記されています。港湾利用や海上作業が絡む事業では、安全確保を前提にした運用設計・リスク管理が“後付け”では通りにくい点に注意が必要です。
2030年までの重点整備:深水港・物流拠点・海上安全対策をホンコアイで加速
2030年までの優先投資に深水港や物流拠点が明示されたことで、物流機能と港湾機能を同時に立ち上げる設計が中心になります。ここは、港の「完成」を待って物流を考えるのではなく、初期段階から荷動き(想定貨物・背後地・集荷導線)を織り込む必要がある、ということでもあります。
また同期間の方針には、海上の統制強化、航行安全の確保、捜索救難の強化が含まれます。つまり、ハード整備だけでなく、航行と安全を支える運用面の前提を同時に整えることで、海事サービスや港湾利用を計画に組み込みやすい環境を作ろうとしている、という読み方ができます。
「安全運用とインフラをセットで整える」という流れは、陸側の幹線でも同様です。例えばホーチミン市〜メコンデルタの主要ゲートウェイである国道1号の拡幅(BOT方式)も、渋滞・事故リスクの低減を狙って進みます。幹線の前提が変わる局面では、輸送計画の見直しが必須になるので、TP HCM国道1号6→12車線、BOT16,270億ドンで2028年へも合わせて押さえると判断が早いです。
25万トン級船・年2,000万トン取扱計画を見据えた提言
ホンコアイは、港湾ゲートウェイ、総合港、物流センター、海事サービス、再エネ、海島観光、漁業後方支援といった複合機能が計画されています。案件探索は、まず以下の4つに切って考えるのが現実的です。
- 港・物流:建設、荷役、保守、拠点運営、背後地との接続設計
- 海事サービス:航行安全、監視、救難、運転監視・保全
- 再エネ・観光:環境配慮と継続運用を両立する運営モデル
- 漁業支援:供給・サービス(冷蔵、資材、メンテ等)の組み込み
このとき重要なのは、単一用途の設備供給ではなく、複数機能を同時に成立させる運営・保全・サービス設計を提案に入れることです。特に〜2030は「戦略インフラ投資」と「安全運航・救難の確保」が並走するため、安全運用に資する体制や機能と一体で提案を組む必要があります。
さらに、ホンコアイは本土から14km超の離島立地です。部材・人員の配置、緊急時対応、保守のリードタイムなど、“止めない運用”の設計が参入時の論点になります。離島港は、エネルギーや燃料調達とも結びつくため、港・貯蔵・周辺工事までを一体で捉える視点が有効です。港湾×エネルギーインフラの読み方は、クアンガイ省ズンクアットでLNG港・貯蔵、燃料調達とEPC商機はも参考になります。
引用元:Hòn Khoai định hướng thành đảo di sản(VnExpress)
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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の政策・計画・関連規制の運用は、必ず関係当局や専門家にご確認ください。