この記事のポイント
- GDP2025は前年比8.02%増、15年で高水準
- GRDP最高はクアンニン11.89%、ハイフォン11.81%
- 上位5地域の成長寄与55.4%で集中、拠点選定が重要
GDP2025は8.02%増、GRDPは5.84〜11.89%—統計局データの重要ポイント
本日はベトナムの地域ごとの成長についてのニュースを紹介いたします。
ベトナム統計局が公表したデータによると、2025年の実質GDP成長率は前年比8.02%となり、過去15年では2022年の8.12%に次ぐ高い伸びとなりました。
コロナ禍からの回復期を経て、製造業・サービス業ともに底堅く推移していることがうかがえます。
企業の視点では、「成長しているから安心」というよりも、どの地域がどの程度のスピードで伸びているかを押さえることが重要です。生産拠点や販売拠点の配置を考える際、全国平均ではなく地域ごとのGRDP(地方総生産)をベースに判断することが、ここ数年さらに重要度を増しています。
クアンニン11.89%・ハイフォン11.81%の工業・サービス基盤
2桁成長となった地域の共通点として、統計当局は「工業・サービスの基盤が相対的に堅固であること」「FDIを含む投資資金を有効活用していること」を挙げています。
クアンニン・ハイフォンの場合、以下のような特徴が見られます。
沿海部の立地を活かした港湾・物流インフラと工業団地の整備
観光(クアンニン/ハロン湾)や物流・港湾サービス(ハイフォン)といったサービス分野の成長
大型FDI案件を含む工業コンプレックスの稼働が、GRDP成長と直結
クアンニン省は世界遺産ハロン湾を擁し観光イメージが強い一方で、工業団地や港湾開発が進んでおり、観光・工業の“二本柱”で成長している地域です。
ハイフォン市も、北部の代表的な港湾・工業都市として、工業団地・港湾インフラへの投資が進んでいます。こうした地域では、製造オペレーションと輸出・物流、そしてFDI活用が一体になった運用モデルがすでにある程度確立していると考えるのが自然です。
統計によれば、ハノイ、TP.HCM、ハイフォン、ドンナイ、バクニンという5地域が、全国の成長への寄与のうち55.4%を占めるとされています。
GRDPが7〜10%の23省市と7%未満の地域差—公共投資・投資環境改善・新分野開拓の効き方
統計当局の整理では、GRDPが7〜10%の「安定成長グループ」が23省市、7%未満の地域が5つという構図になっています。いずれの地域もマイナス成長ではないものの、先頭集団と末尾集団の差が広がっていることが課題として指摘されています。中位グループの多くは、一定の工業・サービス基盤を持ちながらも、インフラ整備や新分野育成がまだ過渡期にある地域です。こうした地域は、
労働コストが比較的低水準
土地コストやインフラ整備状況にバラつき
ローカル市場の成長余地が残されている
といった特徴を持つことが多く、コスト・成長性・リスクのバランスを取る拠点候補として検討しやすいゾーンと言えます。
統計当局は、経済規模が比較的小さい地域ほど、
公共投資を迅速に執行する
ニッチな新分野(観光・港湾・加工業など)を育成する
ことで「跳ねる成長」が起こりうると指摘しています。
たとえば、北中部のタインホア省は、港湾・工業団地とFDI誘致の両面で注目度が高まっている地域の一つで、財政収入に占めるFDI企業の比率も高いことが報告されています。
こうした小規模〜中規模の地域は、
特定産業や大型プロジェクトの成否に依存しやすい
一方で政策やインフラ投資の「効き方」が早い
という特徴があり、成長ポテンシャルとボラティリティがセットになっている点を、進出判断の前提として押さえておく必要があります。
統計当局は、今後GRDPの伸びを維持するうえで、外部要因(原材料価格、物流費、世界需要など)と内部要因(公共投資の執行、不動産市場、災害など)の両方が課題になると指摘しています。
企業の視点では、まず自社拠点や顧客がどの地域タイプに近いかを整理するのがスタートラインになります。
原材料価格・物流費・不動産停滞・災害でGRDP維持が難しくなる局面に備える
一方で、23省市の安定成長グループや、7%未満の地域にも「公共投資や新分野育成次第で跳ねる余地」が存在します。
企業としては、GRDPデータを単なる統計数字としてではなく、
地域タイプを分類するための材料
サプライチェーン・拠点配置・BCPを設計するための地図
FDIや公共投資の「効き方」を見極めるためのチェックリスト
として活用していくことが現実的です。
MAIでは、個別企業の業種・チャネル構造(TT/MT・ECなど)に応じて、どの地域でどのリスクを取りに行くべきかを一緒に整理することも可能です。詳細な地域比較や工業団地レベルでの検討が必要な場合は、個別にご相談ください。
ベトナムの地域ごとの成長のイメージは掴めたでしょうか。
※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の法令・通達・解釈は必ず関係当局や専門家にご確認ください。
ベトナム市場への進出・マーケティングに関するご相談
MAI International では市場調査、TT/MTチャネル開拓、EC・デジタルマーケティング、現地法人設立支援などを提供しています。ベトナム展開やチャネル戦略を相談したい方は下記よりお問い合わせください。