この記事のポイント
- ハノイGeleximco都市区で17時頃出火、連棟5棟の屋根へ延焼
- 消防は10分後に4台出動、30分で鎮圧し18時30分に消火完了
- 死傷者なし、鉄骨屋根の100m2超が焼損し原因は捜査中
地場コングロマリットの開発エリアで出火、連棟住宅5棟の屋根火災
ハノイ市ズオンノイ区レ・チョン・タン通りに位置するGeleximco都市区C区画で、夕方17時頃、連棟住宅の屋根部分から火災が発生しました。火は一棟の屋根から隣接する4棟へと燃え広がり、最終的に5棟分の屋根が焼損しています。火勢が増した際には、黒煙が数十メートルの高さまで上がり、周辺住民の間で不安が広がりました。
このGeleximco都市区は、地場コングロマリットであるGeleximcoグループが開発を手がける住宅・商業エリアとして知られており、企業が入居する可能性のある区画も含む“拠点候補エリア”の一つです。その意味で、今回の火災は単なるローカルニュースにとどまらず、「連棟型の都市区」に拠点を構える企業にとっても、BCP(事業継続計画)や拠点安全の観点から無視できない事例だと言えます。
目撃者によると、出火時に室内に人がいたのは1棟のみで、在館者は全員屋外へ避難し、人的被害は確認されていません。一方で、屋根部分は鉄骨フレームで複数棟にまたがる構造だったため、屋根全体に火が走る形で被害が広がりました。
ハノイの連棟住宅屋根火災が示す拠点安全・BCPの盲点
今回の火災では、出火源は1棟の屋根部分とみられる一方で、延焼は屋根を通じて隣接4棟の屋根全体へと波及しました。ポイントは、屋根が鉄骨フレームで連続し、複数棟をまたいで一体構造になっていたという点です。
このような連棟住宅・連棟店舗では、各テナントの区画は壁やフロアで分かれていても、「屋根」「天井裏」「設備配管」などは共有・連続しているケースが少なくありません。BCPや防災計画を立てる際に、自社区画の内装や電気設備だけを点検しても、屋根上や天井裏での火災・配線トラブルが隣接区画へ延焼していくリスクは取り切れない構造になりがちです。
さらに、今回の火災が発生したのは週末であり、多くの建物が閉店中だったとされています。実際に屋内に人がいたのは一部の棟のみで、避難には成功したものの、現場が「ほぼ無人」の時間帯だったからこそ、発見や初動が遅れやすい条件が重なっていたと捉えることもできます。
消防対応の時系列と延焼要因: 10分後出動、30分で鎮圧、18時30分に消火完了
報道によると、火災発生から約10分後に消防救助警察第15隊が現場へ到着し、消防車4台と多数の隊員が出動しました。出動後、約30分で火勢はコントロールされ、18時30分には消火活動が完了し、その後警察が建物内部に入り原因調査に移っています。
時系列で整理すると、以下のようなイメージです。
17時頃:Geleximco都市区C区画で連棟住宅の屋根から出火
出火から約10分後:消防救助警察第15隊が4台の消防車で現場到着
到着から約30分後:火勢をほぼ鎮圧
18時30分:消火完了、警察が原因調査のため建物内へ
人的被害が出なかったこと、また消防が比較的早く到着し、複数車両で対応したことはポジティブなポイントです。とはいえ、屋根部分に広く火が回った結果、鉄骨フレームで連続した屋根が100㎡超の範囲で焼損しており、物理的な被害自体は小さくありません。
延焼要因としては、
屋根が複数棟にまたがる鉄骨フレーム構造で、一体化していたこと
屋根部分での燃焼が中心となり、外から見える黒煙が大きくなったこと
週末・閉店時間帯で、初期消火に動ける在館者が限られていたこと
などが挙げられます。
企業の対策: 連棟・隣接物件での屋根設備点検とテナント連携で延焼被害を抑える
企業の拠点から見ると、たとえ「通報から消防到着までが比較的スムーズでも、屋根や天井裏を経由した延焼は止めきれない場合がある」という現実を前提に、被害想定やBCPを組み立てる必要があります。
企業が見直したいハノイ拠点BCPと拠点安全チェックポイント
今回のGeleximco都市区での屋根火災は、ハノイ拠点のBCPや拠点安全を考えるうえで、いくつかの具体的な示唆を与えてくれます。以下では、特に連棟・隣接物件で拠点を構えるケースを想定して、チェックしたいポイントを整理します。
1. 「屋根・天井裏・共用設備」の構造把握と点検
・自社が入居する区画だけでなく、屋根・天井裏・排煙設備・電気配線・エアコン室外機などが、隣接区画とどのように接続しているかを把握する
・共有・連続している部位について、管理者(大家・管理会社・オーナー組合)と定期点検の責任分担と頻度を明文化する
・改修工事や増設工事の際には、隣接テナントとの合意形成と配線・可燃物配置のルールを事前に確認しておく
2. テナント・隣家との「火災時の共通手順」の取り決め
・連棟・商業区画で複数テナントが入る場合、通報・初期消火・避難・立ち入り許可に関する共通手順書を作る
・防火管理者や緊急時連絡先をテナントごとに整理し、「誰に電話すれば鍵が開くのか」「誰が現場で判断をするのか」を明確化しておく
・共用部分(通路・階段・屋上等)における可燃物の放置や違法改造について、テナント間でルール・通告方法を共有する
ハノイでは、猛暑・洪水・停電など他のリスク要因も重なるため、自然災害と火災・停電を一体で考えたBCPの整備が重要です。
今回は、弊社ブログでは珍しく地場の火災ニュース記事を扱ってみました。読者の皆様の参考になれば幸いです。
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