皆さんベトナムの映画館についてどのようなイメージをお持ちですか?
私は映画が好きで日本で良く映画館に行っていましたが、ベトナムに来た当初は、どうせベトナム映画だけ上映していて内容が分からないだろうな、ハリウッド映画や日本映画などは見られないだろうな、と勝手に思い込んでいました。
ところが実際は、ハリウッドの最新作や日本映画も上映されており、外国人も気軽に映画を楽しむことが出来ます。
本日は、ベトナムの映画事情についてお伝えします。
【市場規模】
ベトナム映画協会によると、2019年の映画の総興行収入は1億7230万USD(約250億円)と発表されています。ベトナムの映画市場は年20~25%の成長を見せており、2020年には興行収入が2億USDに到達すると期待されていました。しかし、ここ2年間はコロナの影響で映画館などの娯楽施設は長期間営業停止を余儀なくされましたので、2億UDSの達成は今年に期待、と言ったところでしょうか。
【映画館】
ベトナムの映画館は、韓国系のCGVとLotte Cinemaが大都市を中心に多くの店舗を展開しています。各社HPによると、映画館数は最大手のCGVが81店舗、続いてLotte Cinemaが47店舗となっており、この2社で全体の約3分の2を握っています。
業界最大手のCGV(韓国系CJグループ)は、2011年に映画館MegaStarを展開するEnvoy Media Partnersを買収し、2013年よりMegaStarの名称をCGVに変更しました。好立地の映画チェーンを買収出来たことが同社の成功理由と言われています。
Lotte CinemaはCGVに先駆け2008年にホーチミン中心部にあるショッピングセンター「ダイヤモンドプラザ」内に最初の映画館を開業。以降同社が展開するLotte Martを中心に各ショッピングセンターで展開しています。
【料金】
ベトナムの映画料金は日本に比べて安いです。料金は平日(月~木)と週末(金~日)で若干異なりますが、CGVの週末料金は子供85,000VND(約500円)、大人130,000VND(約750円)となっています。
【上映作品】
ベトナム映画だけでなく、ハリウッドの最新作も上映されており、現在は「ブラックパンサー」や「ブラックアダム」などが上映されています。ベトナムは日本よりも早くハリウッド作品が公開されることも多く、例えば「ブラックパンサー」の日本公開は11月11日となっているようです。
日本映画も数多く上映されており、私もこれまで「鬼滅の刃」「ドラえもん」「ドラゴンボール」などを見に行きました。日本で大ヒット中の「ワンピースレッド」も11月25日公開予定となっており、とても楽しみにしています。
【年齢制限】
このように最新映画を気軽に楽しむことが出来るベトナムですが、1つとても困ることがあります。それは、年齢制限です!!
ベトナムも日本と同様に年齢制限が4つに分かれています。①P(全年齢OK)、②C13(13歳未満禁止)、③C16(16歳未満禁止)、④C18(18歳未満禁止)となっていますが、この②C13(13歳未満禁止)指定以上の映画がメチャクチャ多いです。
例えば、「鬼滅の刃」「ドラゴンボール」「コナン」「ワンピース」などは全て13歳未満禁止となっています。少しでも暴力的なシーンがあると13歳未満禁止となるイメージです。また「クレヨンしんちゃん」もC13指定された時はびっくりしました。しんちゃんがお尻を出すシーンがあるため規制対象となったようです、、、
私は子供が小学校低学年と幼稚園なので一緒にアニメを見たいのですが、年齢制限のため見られる映画がほとんど無く、大変困っています、、、、(涙)
現在の年齢制限については2017年から適用されています。それまでは全年齢OKと16歳未満禁止の2つだけだったので、少しでも問題があると16歳未満は鑑賞出来ませんでした。そのため、C13の導入により子供向けに対象が広がりましたが、「なぜこの映画に規制が入るのか検閲が不透明」と疑問視する声も多く、映画界からはより具体的なガイダンスを求める声があがっています。
映画はベトナム人にとっても大きな娯楽の一つであり、今後も成長が期待されています。
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