この記事のポイント
- 着工から3カ月で110kV GIS変電所を遠隔運転
- 22kV中圧5回線をDAS自動化、無人変電所モデル
- 131配電変電所を100%オンライン監視し停電地図運用
コンダオで初のスマートグリッド稼働:110kV GIS遠隔制御の全体像
ベトナムでも「スマートグリッド(次世代送電網)」の導入が進み、遠隔監視・遠隔制御、自動化、データ分析を前提にした電力運用が広がっています。今回のコンダオ特区の事例は、単に機器を更新したというより、運用モデル(無人運用・遠隔操作)まで含めて実装した点がポイントです。
報道ベースでは、EVNHCMC(ホーチミン市電力系の事業体)が式典を実施し、110kV GIS変電所を遠隔制御で稼働させたとされています。さらに22kV中圧の全5回線でDASを導入し、監視はオンラインで100%という整理です。島嶼部の電力基盤を「安全・安定・高品質」にするだけでなく、再生可能エネルギー統合や排出削減、資源効率にもつながる“土台”として位置づけられています(引用元:Thanh Niên(2026/02/01))。
コンダオの送配電DX(遠隔制御・DAS)が生む商機
この案件が示すのは、送配電DXが「機器単体」では成立しにくく、監視・制御・運用をまとめた“組み合わせ提案”が前提になっていることです。遠隔監視に適合する変電・配電機器、DASを含む自動化システム、停電状況を可視化して運用に反映する仕組みまで、一体で矛盾なくつなげる必要があります。
商機の出方としては、①遠隔監視・遠隔制御(SCADA/通信/セキュリティ含む)、②配電自動化(DAS/保護制御/再閉路など)、③運用可視化(停電マップ/故障切り分け/復旧手順)を“セット”で提案できる企業が強い構図になりやすいです。電力需給・投資環境の全体像を押さえるなら、関連トピックとしてEVN累積損失の圧縮とベトナム電力需給も合わせて確認しておくと、提案の説得力が上がります。
一方の参入障壁は、無人運用・オンライン監視を前提にした信頼性と運用適合です。加えて「環境に優しい近代インフラ」という上位目的に紐づけて説明責任が求められやすく、品質・整合性・運用設計のハードルが上がります。技術だけでなく、現地の運用実態(保全体制、復旧判断、現場手順)まで踏み込んだ提案が差別化になります。
総投資4,923 tỉ đồngと海底高圧ケーブル:事業背景と狙い
報道では、プロジェクト全体の投資規模は4,923 tỉ đồngで、国家予算とベトナム電力グループ資金を組み合わせる形とされています。また、Vĩnh Châu(旧Sóc Trăng)〜コンダオを結ぶ海底高圧ケーブルについて、島側の接岸地点の現地確認が行われたとも記載があります(引用元:Thanh Niên(2026/02/01))。
島嶼部は「電源の多重化」「系統の安定化」「復旧の速さ」が本土より難しく、だからこそ遠隔監視・自動化・可視化の価値が出ます。極端気象下の運用・安全優先の判断など、現場オペレーションまで含めて理解したい方は、ハノイ電力公社の取り組み紹介、40℃猛暑・洪水でも電力維持も参考になります。
さらに、再エネ統合や排出削減の文脈で「電力」だけでなく「燃料転換(LNG等)」の動きも並行して進みます。エネルギー調達全体で検討するなら、クアンガイ省ズンクアットでLNG港・貯蔵、燃料調達とEPC商機はのような周辺インフラの論点もセットで押さえると整理が早いです。
いかがでしたでしょうか。本件がなにかの参考になれば幸いです。
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※本記事は公開時点の情報をもとにした一般的な解説です。最新の制度・運用や個別案件の要件は、必ず関係当局・発注者公表情報・専門家にご確認ください。