衣服やシューズ、カバンなどアパレル生産分野で、ベトナムは多くのグローバルブランドの生産拠点として確固たるポジションを築いてきました。人件費の安さや技術力の高さ、政治的な安定などを要因として、すでにアディダスやナイキ、ノースフェイス、アシックス、ユニクロなどのグローバル企業は、ベトナムで生産を行っています。

これらの領域でベトナムは世界的に存在感を増しており、2020年の上半期は、新型コロナ大流行の影響を受けたにもかかわらず、繊維・アパレル製品輸出額で輸出総額は130億 USDでした。これにより、バングラデシュを上回り中国に次いで、世界第2位の繊維・アパレル輸出国となっています。

国内の一般ユーザーにも、委託先工場からの横流しなど非正規流通製品を含めて、これらの海外ブランドばかりが愛用されておりました。

ただ、ここ数年、自国の新興ブランドが登場し始めています。

例えば、シューズの分野は、Biti’sやANANAS、MỘT、RieNevan、DinCoxなどが登場し、ファミリー層や若者に親しまれています。これら新興の地場ブランドは、積極的な広告展開などブランディング活動を行い、トレンドや嗜好にもマッチさせて、ファッション性を高めています。
また、価格を抑えて、若者にも購入しやすく展開しています。多くの企業は、もともと生産委託先として世界市場の基準を満たした製品生産を行っていた経験がすでにあります。そのため、高い品質を保つことができ、現地の外国人などにも愛用者が増えております。

また、バッグの分野では、Saigon SwaggerやJAMLOS、ĐẬM、ZICZAC DESIGNなどが人気です。

このようなベンチャーの取り組みだけでなく、ベトナム政府も後押ししています。例えば、産業貿易省は、国内の見本市「Vietnam National Brand Week」を毎年開催するなどブランド育成を行っています。

2020年、英国系コンサルティング企業のBrand Financeが、ナショナルブランドの価値を測定する目的で実施しているブランド評価で、ベトナムを昨年の42位から33位まで9位上昇させて評価しています。

また同社の「グローバル・ソフトパワー・インデックス2021」では、ランキングされた105ヶ国の中で47位となりました。
以上のように、ベトナムのソフトパワーの向上は、国外でも評価をされ始めております。

前述のBiti’sが2019年に展開し、現在も続けているキャンペーン名は、「Proudly Made in Vietnam」です。

このような強い自負心ともいえるメッセージから分かる通り、国産品であることでブランディングを行える素地が、消費者の中にもできていると考えられます。今後も様々な分野で、ベトナム人の心をつかむような地場ブランドが国内の市場を盛り上げていくと期待されています。国内だけでなく、日本など海外でベトナム地場ブランドのアパレル製品が流通する日が来るかもしれません。

弊社MAIインターナショナルでは、このようなベトナムのアパレル業界の市場調査が可能です。

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