外進出のハードルは低くなりました。海外進出を検討するとなれば英語ができる社員を採用したり、多くの資料や書籍にあたって情報を収集したりしなければなりませんでしたが、いまや基本的な情報はインターネットを検索すれば大量に発見することができますし、日本国内を見渡してもコンビニや飲食店で多くの外国人が働いている姿を見ることができます。また身近にも中国や東南アジアに進出して成功された方を見つけることも可能でしょう。
海外進出はあらゆる業種にわたっており、製造業から商品販売、農水作物の販売、飲食店、エステや理容といったサービス産業まで、ありとあらゆる業種の企業が海外進出を果たしています。海外進出に成功した企業も多く見受けられます。
反面、日本国内と同じような感覚で海外進出をして失敗をし、撤退を余儀無くされている会社が後を絶ちません。資本金を食いつぶすだけであればまだしも、廃業をするにしても莫大なペナルティが発生して引くに引けないという状況になってしまう会社も少なくありません。
海外進出を成功させるには何をどのようにすれば良いのか具体的にまとめてみました。

目的を決める

海外進出をするといっても様々なパターンがあります。日本に比べて低い労働賃金を求めて生産拠点を立ち上げるケースから、現在国内販売している自社製品を海外に販売するケース、日本で提供しているサービスや飲食を海外で展開するなど各社各様です。
しかし単純に日本の商品やサービス、経営手法を現地に持ち込んだからといって必ずしも成功が約束されているわけではありません。ある面、創業をした時のような手間と努力が必要となります。
進出した企業の中でありがちなのが、当初の目的を外れてしまって迷走するケースです。飲食店などの場合「ベトナムでも日本レベルの味を提供したい」という熱い想いで進出をしても、現実的に来客するのは現地の駐在員や一部の日本人ばかりで、ベトナム人は全く来客しないというケースがあります。ホーチミン市の場合、公式に在外公館に登録している日本人は8827人(2017年)にすぎません*1。登録をせずに在留している日本人をすべて合わせても1万5〜6000人というレベルです。これは日本なら地方の小都市の市場規模でしかありませんが、この狭い市場の中で和食店は659店* 2にも上り、明らかに過当競争状態です。さらに最近では和食店でノウハウを積んだベトナム人オーナーが和食店を開いて成功するケースも多く、何も知らない日本人がやってきてすぐに成功できるほど甘くはありません。
このような市場の中に単純に日本のものを右から左に持って入っただけでは勝ち目はありません。自分は「何の目的で、誰のために」仕事をするのか、明確な目的意識を持つことが大切です。

計画を作る

海外事業計画を立てるには進出の計画を立案し、国内での予備調査と現地調査が不可欠となります。しかも計画は最悪のケースを想定して作るべきです。
多くの企業が安易な計画のもの現地に進出し、思いもよらなかった事態やトラブルに見舞われて撤退を余儀なくされるケースがあります。
特に現地での収益を経営の柱にする場合は、慎重な資金計画と進出計画が必要となります。
基本的に収支計画や資金繰り計画を立案する中身は、日本で立案する場合と大差ありませんが、現地でのビジネスは日本と同じようにはいきません。
例えば日本で印刷会社に印刷物を依頼する場合、取引が軌道に乗ってくれば月末締めの翌月払い、最大60日の支払いサイトが当たり前です。しかしベトナムで印刷会社にオーダーをする場合、発注時に半金、納品時に半金の現金決済が当たり前です。資金計画を立てるにしても現金払いが多く発生することを前提に計画を立てなければなりません。当然、売掛金の回収サイトも1ヶ月や2ヶ月ではなく3日や1週間程度で回していかないと資金ショートをする危険性があります。
進出してから知らなかったでは済まされないことも多いので、進出前に綿密な情報収集と経営計画の立案が必須となります。

候補地を絞り込む

なぜベトナムに進出したのですか?なぜホーチミン市に来たのですか?という質問は、現地日本人の間では挨拶がわりに使われるような質問です。各人各様に理由はありますが、同じベトナムでも北部のハノイ市と南部のホーチミン市、中部のダナン市では違う国ではないかと思うくらい差があります。
日本人から見れば同じベトナム人であっても、北部出身のベトナム人と南部出身のベトナム人では気質も方言も異なります。さらにかつてベトナム戦争時代に同じ民族同士で戦ったというこだわりがまだ残っており、日本人同士のような親密な関係がありません。
どこに進出をするのかは日本にいる間に決めなければならない重要なポイントです。単なる個人的な印象に惑わされるのではなく、市場サイズや商習慣、現地の人間性、歴史的な背景などあらゆる角度から進出する候補地を決めなければなりません。

現地を視察する

まず最初に申し上げておきたいのは、海外で一番気をつけなければならないのは日本人を騙す日本人です。ついつい日本人同士、異国で言葉が通じることから気を許してしまいがちですが、親密に現地で活動してくれる日本人には何かと裏があるものです。このような現地在住の日本人にとって、日本から投資目的で来る日本人は格好の餌です。
また現地在住の日本人にとってみて、「情報交換をしたい」「ご挨拶に伺いたい」という名目で来社する日本人ほど仕事の邪魔はありません。1時間、2時間の時間を一方的な質問や情報収集につき合わされて、その後、なしのつぶての日本人が少なくありません。
現地を視察するのであればきちんと対価を支払ってパートナーを見つけるべきです。Googleで「ベトナム進出支援」と入力すると数多くの進出コンサルタントを見つけることができます。この中から複数の会社にコンタクトを取って、条件を比較し、もっとも良いと思う会社を見つけることをお勧めします。
その上で、現地視察の日程、訪問箇所、訪問相手を決め、家賃やランニングコストなどの相場観も現地で確認すべきです。

パートナーを決める

私の個人的な経験で考えれば、海外に進出をして他の日本人の助けがなくてもビジネスた運営できるようになるまでには2〜3年の年月が必要です。
最初に必要なのは社員の募集と採用です。長らく現地で事業を行っていれば自社独自で採用をすることも可能ですが、最初は人材コンサルティング会社に依頼することになります。例えば日本語2級程度で経験年数2〜3年のスタッフであれば$800〜$1200の給料が相場ですが、人材紹介会社に依頼をすると月給 x 13ヶ月 x 20%=$2,080〜$3,120の手数料がかかります。仮に5名を当初採用するとして$10,400〜$15,600のキャッシュを準備しておかなければなりません。さらに採用したスタッフが1〜2週間で辞めてしまうことはざらにあります。人材会社は代替えの人材を紹介はしてくれますが、2ヶ月の試用期間を過ぎてしまったら無保証です。
したがって何を行うにしても最初はパートナーの存在が欠かせませんが、トータルに考えれば少々費用はかかっても信頼できる現地パートナーを採用し、半年から1年はサポートを受けることが良いのではないかと思います。ただし現地パートナーにとってもビジネスですから正当な対価を支払うべきであるのは当然です。

まとめ

海外進出を行うハードルは低くなりましたが、海外進出を成功に導くためには周到な計画と資金が必要となります。安易な考えや個人的な印象で進出を決めてしまうと、取り返しのつかない損失を被ることも少なくありません。信頼できるパートナーと出会うことと、現場の現実に即した対応が海外進出を成功に導くためには必要です。

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