ベトナムに進出する企業には大きく分けて生産拠点をベトナムに設けるケースと、販売・マーケティングのために拠点を設けるケースがあります。

ベトナムに生産拠点を設ける場合

1990年のドイモイ※以来、ベトナムは段階的に市場開放をおこなってきました。最初に進出を行なったのは縫製や繊維といった軽工業が中心で、ベトナム人、特に女性の勤勉性と安価な労働力を求めて多くの企業が生産拠点をベトナムに設けました。
2000年代になると進出の中心は軽工業から精密産業に変化しました。工業団地が整備され、電力や通信のインフラが安定化するにつれて、エレクトロニクスや機械、成型と言った付加価値の高い工業生産に投資の中心が変わりつつあります。特に2010年代には中国の労働賃金の高騰に伴い、「チャイナ・プラス・ワン」という形で、中国からベトナムに生産拠点を移転する企業が相次いでいます。
ベトナムに生産拠点を設けている企業:
日本電産・ブラザー・富士ゼロックス・サムソン・神戸製鋼・オリンパスなど

※ドイモイ
ドイモイ(ベトナム語: Đổi mới / 𣌒𡤓)は、1986年のベトナム共産党第6回党大会で提起されたスローガンであり、主に経済(価格の自由化、国際分業型産業構造、生産性の向上)、社会思想面において新方向への転換を目指すものである。直訳すれば「新しい物に換える」の意。日本語では「刷新」と訳された。

ベトナムに販売拠点を設ける場合

ベトナムは日本とほぼ同じサイズの国土に約9300万人の人口を抱えています。平均年齢は30.4歳と若く、今後、家庭を持ち子供を育てていく中で、様々な消費を行うようになってきました。
ベトナム全土の一人当たりGDPはまだ2000ドル程度しかありませんが、ハノイやホーチミンなど都市部では5000ドル程度あり、市民の消費行動も大きく変わってきました。これらの都市部ではマンションが次々に達ち、自家用車の個人所有が増え、和食店で寿司を楽しむ若者も少なくありません。
小売業は長らくベトナム政府の保護規制の対象でしたが、ここ数年は外資の参入が相次ぎ規模を拡大しています。コンビニのファミリマートやセブンイレブン、ショッピングモールのAEON、デパートの高島屋などが営業を行なっています。

生産と販売を併設する場合

企業によってはベトナムに生産拠点を設けて日本や海外に輸出する一方、ベトナム国内を対象に販売を行なっている企業もあります。最初は生産拠点として進出し、生産が軌道にのるにつれて販売も開始するというパターンです。数年前までは学生はベトナム製のノートを使っていましたが、最近はコクヨのキャンパスノートを使っている学生が珍しくありません。

ベトナムに拠点を設けるメリット

ASEANの中で進出先を選ぶ場合、ベトナムは比較的進出がしやすく成功率が高い国です。それにはいくつかの要因があります。

高い識字率

ベトナムは山岳地帯には少数民族が住んでいるものの、人口の80%はキン族であり、ベトナム全土でベトナム語が話されています。教育にも熱心で高い識字率を誇ります。カンボジアやラオス、ミャンマーなどでは少数民族の割合が高く、識字率も低くなってしまいますが、都市に住むベトナム人で文盲である者は皆無だと言って良い状況です。

安定した政治

ベトナムは共産党による一党独裁体制ですが、国内の対抗勢力やクーデターと言った政変が少なく、非常に安定した政治体制です。タイやインドネシアでは軍事政権と反軍事政権、イスラム過激派といった様々な政治問題を抱えている国も少なくありませんが、ベトナムはこのような政治対立がほとんどありません。

治安

政治の安定は国内の治安の安定につながっています。ベトナムでは、スリや盗難といった犯罪はないわけではありませんが、他国のように銃器を使った凶悪犯罪などは少なく、ASEANでも比較的治安の良い国です。夜間、女性が一人で歩いても襲われることもなく、進出する企業にとっても安全性は魅力です。

勤勉性

ベトナム人が勤勉であるかどうかは議論の余地がありますが、一般的にベトナム人は勤勉であると言われています。しかし日本人と同じような勤勉性を求めると失望するかもしれません。また終身雇用の名残が大きい日本人に比較して、ベトナムには終身雇用という概念そのものがなく、少しでも良い条件があれば簡単に転職してしまいます。

インフラ

電力や通信といったインフラはここ10年で格段に良くなりました。以前はホーチミン市の中心部でさえ、週に1〜2回は停電があるのが当たり前でしたが、今では年に1、2回という程度です。
また多くの企業が進出する工業団地ではより厳しいインフラ管理が行われており、インフラに対する心配はほぼない状態です。

日本との関係

中国や韓国に比べてある程度の距離があるベトナムでは日本に対する悪感情が少なく、ホンダのバイクやドラえもんの国として良いイメージを持っているベトナム人が多いことは事実です。反面、長年に渡って接してきた中国とは、領土問題もあることから、悪感情を持っているベトナム人が多いことは事実です。ベトナムが日本と日本人に対して今後どのような意識を持つかは、進出した企業や現地で働く日本人との関係によります。

まとめ

日本との距離関係、マーケットのサイズ、国民性、教育レベルなど、多くの要因を総合的に判断して、ベトナムを進出先とする日本企業が増えています。
また来日するベトナム人も急速に増えてきており、今後、両国の関係は益々緊密になっていくものと思われます。

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